みなさんこんにちは ! ありーなです
災害に備えたポータブル電源として「UPS]とか「EPS」とか書いてあるけど、一体どんなものなの?
そんな声にお応えして、UPS/EPS機能付のポータブル電源について紹介します。UPSとEPSの違いを紹介した上でUPS/EPS付のポータブル電源を見ていきます。どんな場面で役立つか、どんな機種のポータブル電源があるのかも紹介します
この記事を読むとこのようなことが分かります
【この記事でわかること】
✓UPS(無停電電源装置)とEPS(非常用電源装置)の違いが分かります
✓UPS/EPS機能付ポータブル電源がどういうものかが分かります
ぜひ最後までご覧ください
目次
UPS(無停電電源装置)とEPS(非常用電源装置)
UPS付/EPS付ポータブル電源の話に入る前に、そもそもUPS(無停電電源装置)とは何か?EPS(非常用電源装置)とは何か?を抑えておきましょう。
UPS(無停電電源装置)とは
UPS:Uninterruptible Power Supply(無停電電源装置)とは落雷などによる予期せず停電や電源異常が発生した場合、一定時間電力を流し続けることで機器やデータを保護することを目的とした装置です。
ビジネス用途で使われることが多く、オフィスのパソコンやNAS(ネットワーク上に接続することができるハードディスク)、店舗のPOS端末や顧客情報端末などに接続して、コンピューターシステムの損傷やデータの消失を守ります。
UPSは本来PCやNASを安全にシャットダウンするための時間を稼ぐものなので、あまり大きなバッテリーは積んでいません。
UPSには3つの給電方式がありますが、UPS付ポータブル電源を家庭で使う上ではあまり必要ない情報なのでここでは触れません。
ただし、停電時に瞬断(電気が一瞬途切れること)が起きたり、安定した電圧や安定した出力波形が出せないものは、安定した電源を求められるシビアな機材や、少しの瞬断も許されない医療機器では使えないということだけ知っておいてください。
停電が起きた時にバッテリーに溜まった電気に瞬時に切り替えられるポータブル電源であれば、UPS的な機能を備えていると言えます
EPS(非常用電源装置)とは
EPS:Emergency Power Supply(非常用電源装置)とは停電が発生し電気の供給が止まった場合、電力が復旧するまで電力を供給し続けることを目的とした装置です。
一般企業や商業施設、公共施設に設置されていることが多く、停電時に発電し設備に電力を長時間供給することができます。
停電後瞬時に電気を供給してくれるUPSとは異なり、電気を供給するまでに数十秒から1分程時間がかかりますが、一度起動したら長時間の停電でも電気を供給し続けられるのが特徴です。
備蓄している燃料がある限り電気を作り続けられる「発電機型」や、太陽光発電でも充電ができる「大容量蓄電池型」などいくつか種類があります。
停電が起きた時にバッテリーに溜まった電気を長時間使えるという意味では、ポータブル電源はEPS的な機能を備えていると言えます
UPS/EPS機能付ポータブル電源とは
UPS機能付ポータブル電源とEPS機能付ポータブルの違い
最近発売されるポータブル電源は、UPS(無停電電源装置)やEPS(非常用電源装置)機能付きの機種が増えてきました。
先に説明したようにUPSとEPSは本来別ものなので、UPS機能付ポータブル電源とEPS機能付ポータブル電源も基本的には違います。
UPS機能付ポータブル電源
「機器やデータを保護することを目的」としたUPS(無停電電源装置)機能を備えたポータブル電源
EPS機能付ポータブル電源
「電力が復旧するまで電力を供給し続けることを目的」としたEPS(非常用電源装置)機能を備えたポータブル電源
しかし購入者にとって分かりづらいのは、同じ説明が書いてあるにもかかわらず、あるメーカーは「USP機能付ポータブル電源」、違うメーカーは「ESP機能付きポータブル電源」と謳っていることです。
例えばBluettiの商品ページには「停電時に20ミリ秒以内に自動的にポータブル電源からの給電に切り替え」とあるのに対して、Jackeryの商品ページには「突然停電になった場合でも、電力供給をポータブル電源に20ms(0.020秒)以内に切り替える」と書いてあります。
どちらも同じ「20ms以内の切替え」なのに、Bluettiは「UPS機能付ポータブル電源」、Jackeryは「EPS機能付ポータブル電源」となっている意味が分かりません。
そこで「EPS機能付ポータブル電源」と謳って販売している2社に問い合わせてみました。
するとそれぞれ次のような回答がありました。
UPSではなくあえてEPSという用語を使っているのは、
UPSほどの専門的な機能ではないためです
弊社製品はUPSではなくEPS機能に対応しています。本機能は完全なUPS機能ではなく、0msでの切り替えには対応していないため、データサーバーやワークステーションのような完全なUPS機能を必要とするデバイスには使用しないでください
この回答からは技術的な違いまでは読み取れませんが、つまり同程度の性能だとしても、UPS機能付ポータブル電源とEPS機能付ポータブル電源のどちらを名乗るのかは、
EPS機能付ポータブル電源として販売している機種も、停電が起きた時に瞬時にポータブル電源からの電力供給に切り替わる点では「UPS的」と言える。しかし切替えに要する瞬断時間が20~30msあるため「専門的なUPS」とは言い切れない。電源が切り替わった後「電力を供給し続ける」という点は言い切れる特徴なので「EPS機能付ポータブル電源」とする
というようなメーカーの考え方が反映されたのでは?と感じました。
USP機能付ポータブル電源もESP機能付きポータブル電源も使い方は同じです。どのような形で使うのかを次に紹介します
UPS/EPS機能付ポータブル電源の使い方
UPS機能付ポータブル電源とEPS機能付ポータブル電源の使い方は全く同じです。
上側の図は、壁のコンセントと電化製品(パソコン)の間にUPS/EPS機能付ポータブル電源を挟んで設置したところです。
通常であれば壁のコンセントから流れてきた電気が、UPS/EPS機能付ポータブル電源をスルーして電化製品(パソコン)に供給されます。
しかしいざ停電が起きると、下側の図のようにポータブル電源からの電力供給に切り替わり、パソコンに電気が供給されます。
UPS/EPS機能付ポータブル電源はどちらもこの切替えを行えますが、切替えに要するスピードはメーカー・機種ごとに差があります。
先ほど紹介した事例は切り替えに20ms(ミリ秒)かかるものでしたが、切替え時間が全くかからないUPS機能付ポータブル電源も販売されています(※参考)。
ほとんどのUPS/EPS機能付ポータブル電源は切り替え時に「瞬断(電気が一瞬途切れること)」が10~30ms(ミリ秒)程度発生します。
「瞬断」が起きる時点で、安定した電源を求められるシビアな機材や、少しの瞬断も許されない医療機器には使えません。
一般的に家庭で使うような電化製品は問題ありませんが、UPS/EPS付ポータブル電源を使うときは、使えない機器があることを覚えておく必要があります
切替え時間が全くかからない「UPS機能付ポータブル電源」としては、EENOUR(イーノウ)というメーカーが「0.01秒完全無遮断オンライン式UPS」としてP1500やP5000という機種を販売しています
UPS/EPS付のポータブル電源が役立つ場面
それではUPS/EPS付のポータブル電源はどんな場面で役立つでしょうか?
それを考えるために「停電が起きると困る電化製品とは何か?」を考えてみました。
【停電が起きると困る電化製品】
1) 突然の停電により破損や故障のリスクがある電化製品
2) 停電により電気が止まってしまうと都合の悪い電化製品
1) 突然の停電により破損や故障のリスクがある電化製品
停電により電化製品が故障する原因は、急な電圧の変化と、突然稼働がストップされることによるダメージです。
デスクトップパソコン
突然の停電により破損や故障のリスクがある電化製品の代表はデスクトップパソコンです。
通常パソコンは「シャットダウン」を選択することで電源を切ります。
しかし停電により強制的にシャットダウンされると、バッテリーを搭載していないデスクトップパソコンは大きなダメ―ジを受けてしまいます。
システムが動いている最中に突然電源を切られるのと同じ状態になり、作業中のデータが保存できず消失したりパソコン自体に故障が起きる可能性が出てきます。
「突然の停電により破損や故障のリスクがある電化製品」をつなぐのであれば、瞬断時間がより短いUPS機能付ポータブル電源の方が安心できそうです
2) 停電により電気が止まってしまうと都合の悪い電化製品
① HDD、ブルーレイやDVDなどのレコーダー
停電により電気が止まってしまうと都合の悪い電化製品の1つ目はレコーダーです。
ハードディスクやブルーレイ、DVDなどのレコーダーに録画をしている最中に停電が起きると、録画中の番組は保存されません。
またレコーダーを使っているときに停電が起きると、ハードディスクに記録されてあった内容まで失われることがごくまれに発生します。
録画の予約をしてまで見たかった番組が停電の影響で録画できてなかったら本当にがっかりです。毎週その番組のある時間帯に計画停電なんてことになったらそれこそ「あいたたた」です
② 高齢の親・ペットとの通信手段や見守り家電(見守りカメラ)
停電により電気が止まってしまうと都合の悪い電化製品の2つ目は、高齢の親・ペットとの通信手段や見守り家電です。
離れて暮らす親が住む実家で停電があったとき、もし連絡が取れなくなってしまったらとても心配です。
飼い主の帰りを待つペットがいる部屋で突然の停電が起きてしまったら、家に着くまで居ても立ってもいられません。
UPS/EPS機能付ポータブルがあればそんな心配も減らせます。
実家の固定電話や携帯電話、見守り家電にUPS/EPS機能付ポータブルをつないでおけば、停電が起きても連絡手段を確保することができます。
ペットの待つ部屋の見守りカメラをつないでおけば、停電中でもペットの様子を確認することができるようになります。
③ ペットや生き物の生命維持のための電化製品
停電により電気が止まってしまうと都合の悪い電化製品の3つ目は、ペットや生き物の生命維持のための電化製品です。
ペットや生き物の飼育のために電気製品を使っている家にとって、停電は一大事です。
外出中にもし停電が起きてしまったら、大切なペットや生き物の命にかかわってきます。
停電で止まってしまうと命にかかわるような電化製品としては次のようなものが考えられます。
【停電で止まるとペットの命にかかわるような電化製品】
・熱帯魚(魚)用:酸素注入器(アクアリウム循環装置)、ろ過機、水槽ヒーター
・爬虫類用:パネルヒーター、ろ過装置、保温ライト、紫外線ライト
・犬・猫用:自動餌やり器、自動給水(コンセント型)
④ 品質維持(温度・湿度管理)のための電化製品
停電により電気が止まってしまうと都合の悪い電化製品の4つ目は、品質維持(温度・湿度管理)のための電化製品です。
専用のセラーやボックスに入れて大切にしてきた宝物を、停電が原因で台無しにしてしまったら悔やむにも悔やみきれません。
【品質保持(温度・湿度管理)のための電化製品】
・ワインセラー、日本酒セラー
・ドライボックス:カメラ・レンズを保管する電子防湿保管庫
UPS/EPS機能付きのポータブル電源
最後にこのブログでおすすめしている4つのメーカー(Anker、Bluetti、EcoFlow、Jackery)のUPS/EPS付ポータブル電源を紹介します。
停電に備えて家庭で使う電化製品をつないで使うのであれば、どのメーカーの機種もさほど変わりはないように思います。
停電したときにどれだけ電気が持ってほしいのかを考えて、それぞれの家庭に適した容量のポータブル電源を選んでください。
Anker(アンカー)のUPS付ポータブル電源
機種名 | Anker Solix F3800 | Anker Solix F1500 | Anker 767 | Anker 757 | Anker Solix C1000 | Anker 555 | Anker Solix C800 | Anker 535 | Anker 521 |
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発売日 | 2023年11月 | 2023年10月 | 2022年11月 | 2022年4月 | 2023年11月 | 2022年8月 | 2023年11月 | 2022年2月 | 2021年12月 |
容量 | 3840Wh | 1536Wh | 2048Wh | 1229Wh | 1056Wh | 1024Wh | 768Wh | 512Wh | 256Wh |
UPS (瞬断時間) | UPS(20ms) | UPS(20ms) | UPS(20ms) | UPS(20ms) | UPS(20ms) | UPS(20ms) | UPS(20ms) | 簡易的UPS (確認中) | 簡易的UPS (確認中) |
Ankerの採用しているUSPは他メーカーと同様に瞬断(20ms)はありますが、電圧の安定という面では優れた給電方法を採用しています。但しAnker 535とAnker 521は採用されている方式が異なるようです(確認中)
Bluetti(ブルーティ)のUPS付ポータブル電源
機種名 | EP500 | AC500+B300S | AC300+B300 | AC200L | AC180 | AC70 | AC60 | EB3A | AC2A |
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発売日 | 2021年8月 | 2022年9月 | 2021年8月 | 2023年11月 | 2023年6月 | 2023年10月 | 2023年3月 | 2022年5月 | 2023年11月 |
容量 | 5100Wh | 3072Wh | 3072Wh | 2048Wh | 1152Wh | 768Wh | 403.2Wh | 268.8Wh | 204.8Wh |
UPS (瞬断時間) | UPS(20ms) | UPS(20ms) | UPS(20ms) | UPS(20ms) | UPS(20ms) | UPS(20ms) | UPS(20ms) | UPS(20ms) | UPS(20ms) |
BluettiのUPS付ポータブル電源は、ここで紹介した4社の中で最大容量の機種(EP500:5100W)から最小容量の機種(AC2A:204.8Wh)で取り揃えています
EcoFlow(エコフロー)のEPS付ポータブル電源
機種名 | DELTA Pro | DELTA2 Max | DELTA Max2000 | DELTA Max1600 | DELTA2 | RIVER2 Pro | RIVER2 Pro | RIVER Max | RIVER2 Max | RIVER2 |
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発売日 | 2022年1月 | 2023年5月 | 2021年9月 | 2022年3月 | 2022年8月 | 2023年4月 | 2022年3月 | 2020年2月 | 2022年10月 | 2022年10月 |
容量 | 3600Wh | 2048Wh | 2016Wh | 1612Wh | 1024Wh | 768Wh | 720Wh | 567Wh | 512Wh | 256Wh |
UPS (瞬断時間) | EPS(30ms) | EPS(30ms) | EPS(30ms) | EPS(30ms) | EPS(30ms) | EPS(30ms) | EPS(30ms) | EPS(30ms) | EPS(30ms) | EPS(30ms) |
EcoFlowのEPS付ポータブル電源は、ここで紹介した4社の中で唯一瞬断時間が30msとわずかながら遅くなっています
Jackery(ジャクリ)のEPS付ポータブル電源
機種名 | 3000Pro | 2000Plus | 1000Plus | 300Plus |
---|---|---|---|---|
発売日 | 2023年7月 | 2023年6月 | 2023年7月 | 2023年9月 |
容量 | 3024Wh | 2042.8Wh | 1264.64Wh | 288Wh |
UPS (瞬断時間) | EPS(20ms) | EPS(20ms) | EPS(20ms) | EPS(20ms) |
ジャクリはこれまでUPS/EPS付ポータブル電源を出してきませんでしたが2023年に発売されたPLUSシリーズでEPS付ポータブル電源となりました。パススルー方式もバッテリーに負荷がかからない方式に変更されています
まとめ
停電発生後、すぐに停電したことに気づき、すぐに対応できるならUPS/EPS付ポータブル電源はなくても良いのかもしれません。
しかし停電はいつどこで起きるか分かりませんし、停電時に外出していてすぐに帰宅できるのかも分かりません。
災害などによる突然の停電が最も大きな問題を引き起こしますが、最近は電力設備の老朽化などによる突然の停電も良く耳にします。
ここ数年の世界情勢を見ていると、エネルギーのほとんどを海外に頼っている日本の行く末は不安だらけです。
近い将来、東日本大震災後に行われた「計画停電」が行われる可能性も高まっているのかもしれません。
もし「計画停電」が行われてもUPS/EPS付ポータブル電源を持っていれば、「停電が起きると困る電化製品」とつないで備えることが可能となります。
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災害に備えたポータブル電源については、こちらの記事をご覧ください