「災害に備えてポータブル電源を購入しよう」
そう思って購入したポータブル電源を、充電だけして部屋の隅に置きっぱなしということはないでしょうか。
実は私は台風を甘く見ている節があって、これまでこんな安易な気持ちでいました。
「台風なんかで我が家が停電するわけないさ」
「もし停電が起きてもポータブル電源があれば大丈夫」
しかしいざ台風で停電が起きてしまった時に、ポータブル電源があるだけじゃそのメリットを十分活かせません。
「台風で引き起こされる停電」を知り、台風が来る前に必要な「準備」をしておくことで、ポータブル電源を持っているメリットを最大限活かした停電対策をすることができます。
この記事では、台風で引き起こされる停電の実際に迫り、台風が来る前にどのような準備をしておくべきかを紹介します。
この記事を読むと、次のようなことが分かります。
✔ 台風により引き起こされる停電とはどんなものかが分かります。
✔ 台風で停電になるとどんなことが困るのかが分かります。
✔ 台風が来る前にどんな準備が必要なのかが分かります。
是非最後までご覧ください。
大切な人を守るために「将来に備えること」を日々探究している50代の「あり~な」がお伝えします!
目次
台風により引き起こされる停電で起きること
地震やゲリラ豪雨などにより突然起こる「停電」とは違い、台風により引き起こされる「停電」は、事前に想定・準備ができる時間的猶予があります。
せっかく買ったポータブル電源を最大限活かすために、まずは「台風により引き起こされる停電」とはどのようなものかを知っておきましょう。
どのような理由で停電が引き起こされるのか
台風の大きさや強さ、ルートなどにより引き起こされる停電の場所や規模の大きさ(停電エリアの広さ)、深刻さなどは毎回異なります。
とはいえ停電が引き起こされるのは、台風の強い風や雨が原因となり発電施設や送電施設、変電施設などに被害が生じた場合です。
【台風により停電が引き起こされる主な原因】
1.風が原因
・風による倒木や飛来物などで電柱・電線が破損・倒壊して停電になる
・風により高圧線同士が激しくぶつかり合って停電する
・風により海の潮風(塩分)が送電線の鉄塔(碍子)に付着して停電する
2.雨が原因
・土砂崩れなどで電柱・電線が破損・倒壊して停電する
・川の氾濫などで電気設備が浸水して停電する
どのようなエリアで停電が起きるのか
先に見たように「台風による停電」が起きるのは風や雨が原因となり発電施設や送電施設、変電施設などに被害が出た場合です。
上の図は2022年9月に発生した台風14号の9月22日6時現在の九州地方の停電状況です。
九州地方で121,590戸が停電となっており、九州の地図はピンクで塗りつぶされています。
しかし福岡県の停電状況を詳細に見てみると、①福岡地方で120戸、②筑豊地方で30戸、③北九州地方で10戸の合計160戸の停電のみです。
「なんだそんなもんか」と思うかもしれませんが、逆を言えばある特定の狭い地域だけ散発的に停電が起きるリスクがあるといえます。
自宅近くにある電柱や電線が1ヶ所破損しただけでも、停電が起こり得るリスクがあるのです。
台風は大規模な停電を引き起こすことも多くあります。
2019年に起きた台風15号では鉄塔や電柱が広範囲で倒壊し、千葉県を中心に最大64万戸余りが停電しました。電力復旧までに4日、完全復旧まで19日もかかる甚大な被害を出した台風でした。
停電が起きて実際に困ったこと
停電経験者が特に困ったのは冷蔵庫と照明が使えないこと
パナソニックが2021年に防災意識アンケートを行い「もしもの備え白書」にその結果がまとめられ発表されました。
実際に停電を経験した人1000人(青)と停電未経験者1000人(オレンジ)に聞いた「長時間停電発生時に特に困ったこと/困りそうなこと」の結果は、我々の停電対策に役立ちます。
「冷蔵庫が止まる」ことと「照明が使える部屋が暗い」ことが、停電経験者にはより切実な「困りごと」だったことが分かります。
停電経験者が動かなくて困ったのはテレビと照明器具
こちらのグラフは長時間停電が発生した時、どんな家電が動かなくて困ったかを聞いたアンケート結果です。
停電経験者は「テレビが見れないこと」「部屋が暗いこと」「電子レンジで簡単な食べ物さえ温められないこと」により多くのストレスを抱えたことが分かります。
停電が起きてたら復旧にどれくらいの時間がかかるのか
では台風で実際に電気が止まってしまったらその復旧にはどれくらいかかるのでしょうか。
復旧までにかかる時間は台風の強さや大きさ、被災したエリア・範囲などによって異なるため一概に言えるのもではありませんが、過去のデータが参考になります。
資源エネルギー庁のサイト(「台風」と「電力」~長期停電~考える電力のレジリエンス)には、これまでの台風被害における停電が何日後に復旧(99%)復旧したかが書かれています。
台風 | 停電戸数 | 99%解消までの期間 |
2018年 台風21号 | 最大約240万戸 | 約5日後 |
2018年 台風24号 | 最大約180万戸 | 約3日後 |
2019年 台風15号 | 最大約93万戸 | 約12日後 |
2019年 台風19号 | 最大約52万戸 | 約4日後 |
【資源エネルギー庁 これまでの台風被害における停電戸数の推移より抜粋】
ここから言えるのは、停電の復旧は場合によってはかなり長期化する恐れもあるということです。
台風が来ると分かったら早めに備えておくと良いこと
ポータブル電源の充電は早めにしておく
台風が近づいてくると分かったら、たとえ数日間の余裕があったとしてもすぐにポータブル電源を充電しておくことをおすすめします。
実際に使うことになるか分からない電力であれば、コストがかからないソーラー発電で蓄電することが望ましいのは言うまでもありません。
しかし台風が近づいてくると、一般的には天気が不安定になります。
まだ時間があるからとあと回しにしていると、太陽光発電が邪魔され必要な電力を賄えないこともありえますので注意が必要です。
【台風が近づいてくると起きる、太陽光発電を邪魔する要因】
・台風が前線を刺激し遠く離れた地域でも天気が悪くなることがある
・台風が近づくにつれ雲が早く動き、晴れの日でも太陽光を遮る時間が多くなる
いざという時のために冷蔵庫のプラグ・コードを確認する
先に紹介したとおり、停電で特に困ることの第1位は「冷蔵庫が止まること」です。
冷蔵庫のプラグの位置は普段はほとんど気にしないもので、購入時に一度だけ見たという人も多いのではないでしょうか。
プラグの位置は分かったとしても、コードが冷蔵庫に固定され、冷蔵庫の裏に挟まるようにコードが通っていることも多くあります。
もし冷蔵庫の配線がどうなっているかを知らない状態で停電が起きてしまった場合、真っ暗な中で慌てふためくことになります。
そのリスクを減らすために、台風が来る前に冷蔵庫のプラグ・コードを確認し、停電が起きたときにはポータブル電源につないで電気が取れるような状態にしておくことをおすすめします。
いざという時のために停電した時に使いたい機器を揃えておく
先ほどのアンケート結果を見れば、停電時に何が必要になるのかが見えてきます。
わが家では台風が近づいた時に、1ヶ所にまとめて置くものを決めました。
【台風が近づいた時にまとめて置いているもの】
・スタンド照明
・冷暖房器具(上の写真では扇風機)
・ノートパソコン・充電器
・スマホ・充電器
・延長コード
もし停電が起きたらポータブル電源につないだ延長コードに、これらの電化製品をつなぎます。
もし停電が長引くようなら冷蔵庫のプラグも延長コードにつないで使えるように準備しています。
必要なものが一か所に集められていれば、停電が起きた暗い部屋の中でも安心した行動ができます。
停電時にポータブル電源の電力を節約しながら使うためには、使う電化製品を省電力で使うことも大切です。スマホやパソコンには節電モード/省電力モードがありますので、いざという時の為にその使い方を事前に把握しておきましょう
まとめ
台風により引き起こされる停電は、日本全国どこに住んでいる人にも起こり得ます。
なぜなら台風の風や雨が原因となり、発電施設や送電施設、変電施設などに被害が出る可能性はどこであっても起こるからです。
その停電が広範囲で起きるのか狭い範囲で起きるのかも分かりませんし、復旧までどれくらいの時間がかかるかも分かりません。
そのため、台風が来る前の備え・準備がとても大切になってきます。
実際に長時間の停電を経験した人に聞いてみると、特に次のようなことが困るそうです。
【長時間停電発生時に特に困ったこと】
1. 冷蔵庫が止まる
2.冷暖房が使えない
3.照明が使えず部屋が暗い
また停電時には次のような家電が動かなくて困ったそうです。
【長時間停電発生時に動かなくて困った家電】
1.テレビ
2.照明器具
3.電子レンジ
ポータブル電源を使えばこれらの問題の多くは解決できます。
ポータブル電源のメリットを最大限活かし、停電時の「困った」を減らすために次のような備え・準備を事前にしておきましょう。
【台風が来る前に早めに備えておくと良いこと】
1.ポータブル電源の充電は早めにしておく
2. いざという時のために冷蔵庫のプラグ・コードを確認する
3.いざという時のために停電した時に使いたい機器を揃えておく