みなさんこんにちは !
曇りや雨の日が続く梅雨の季節、 いつも以上に家にこもりがちになっている ありーな です
ポータブル電源をソーラー充電して「節電」に役立てたいけど、実際はそんなに節約できないんでしょ?
どれだけ「節電」できるのかは、持ってる機材や日当たりの状況などで違いますし、節電をどこまで期待しているかによっても感じ方は違います
そこで「どれだけ節電できるか」を感じてもらうために、一つ実験をしてみました
曇りや雨が何日も続く「最悪の状況下」で、ソーラー発電してポータブル電源を動かすとどんな感じになるのかを紹介します
最悪の状況下でどんなことが起きるのかを知っていれば、それぞれのご家庭で成し遂げたい「節電」の参考にできるはずです
ぜひ最後までご覧ください
実験方法(詳細)
以下の方法で実験をおこないながらポータブル電源の電気残量を測定し、曇りや雨の続く季節にソーラー充電でポータブル電源がどれくらい使えるかを検証しました。
【実験方法の詳細】
・期間は、2023年6月8日(木)~6月15日(木)の8日間(梅雨の季節)
・昼間はマンションベランダ(南向き)にソーラーパネルとポータブル電源を出しっぱなしでソーラー充電し、ポータブル電源に溜まった電気を夕食作り(料理)に使う
・充電に使用したポータブル電源は、Jackery 1500Pro(容量1512Wh)で、ソーラーパネルは、Jackery SolarSaga 200(出力200W) 1枚とJackery SolarSaga 100(出力100W) x2枚の合計400W
・料理(調理or炊飯)は、シャープの自動調理鍋 ヘルシオホットクックKN-HW24G(消費電力800W)を基本とし、ごはんの温めにシャープのウォーターオーブン(電子レンジ)AX-HC4-S(消費電力1460W)を使う
・電気を使う料理は、主菜(メインディッシュ)とごはんのみとし、副菜は電気を使わないサラダや酢の物などを用意すると想定する
・実験は、ソーラー充電で電気を83%まで溜めてあったJackery 1500Proを使い夕食を作ることから開始(6/8の夕食)し、翌日以降「ソーラー充電」と「夕食作りでの消費」を繰り返す
実験結果のまとめ
実験期間中の電気残量推移は上のグラフの通りです。
青い線は、料理に使ったことによる電気量の減少、黄色い線は、ソーラー充電したことによる電気量の増加を表します。
グラフからは次のようなことがわかります。
・ポータブル電源に溜めてあった83%の電気は実験開始3日後(6/10)に5%まで減少してしまったため、ソーラー充電で電気が溜まるまでJackery 1500Proは使えなくなった(6/15の充電で電気が28%まで溜まったため、6/15の夕食作りには再びJackery 1500Proを使用)
・そのため、実験期間中に作った8回の夕食の内、4日分はJackery 1500Proの電気(青枠の料理)、それ以外の4日分はJackery 1500Pro以外の電気(赤枠の料理)を使用(6/10の料理は、途中(カレー作り)までJackery 1500Proを使用)
・実験期間中の昼間はほとんどが曇りや雨の悪天候だったため、ソーラー充電を行った7日間で溜めることができた電気量は合計33%(グラフの黄色い線部分の合計)
【実験で分かったこと】
曇りや雨の日が続く季節(梅雨など)は、ソーラー発電で溜められる電気量が十分ではなく、ポータブル電源を毎日使い続けるのは困難
今回の実験は雨や曇りが続く最悪なタイミングを選んで行いました。雨や曇りの日に太陽が顔を出すことはほとんどありませんが、もし出たとしても日当たりのよくないマンションのベランダで行った実験のため、純粋に日の当たらない雨や曇りの日にどれくらいソーラー充電ができるかを調べることができました
夕食作りでの消費電力量とソーラー充電で増えた電気量
1)夕食づくり(料理)で消費した電力量
夕食としてつくったメニュー、使用した調理家電、消費した電力量などを表にまとめました。
日付 | メニュー | 使用した 調理家電 | 使用した 電力 ※1 | 消費電力量 (電気残量)※2 |
6月8日(木) (実験1日目) | サラダチキン 炊飯5合 | ホットクック ホットクック | Jackery 1500Pro | -13%(70%) -18%(52%) |
6月9日(金) (実験2日目) | 鶏の甘酢炒め ごはん温め | ホットクック 電子レンジ | Jackery 1500Pro | -30%(23%) -4%(19%) |
6月10日(土) (実験3日目) | カレー ごはん温め | ホットクック 電子レンジ | Jackery 1500Pro | -26%(5%) 0%(5%) |
6月11日(日) (実験4日目) | 肉じゃが 炊飯5合 | ホットクック ホットクック | 0%(5%) | |
6月12日(月) (実験5日目) | 五目麻婆春雨 ごはん温め | ホットクック 電子レンジ | 0%(5%) | |
6月13日(火) (実験6日目) | 酢豚 ごはん温め | ホットクック 電子レンジ | 0%(5%) | |
6月14日(水) (実験7日目) | 大根の煮物 ごはん温め | ホットクック 電子レンジ | 0%(5%) | |
6月15日(木) (実験8日目) | エビチリ ごはん温め | ホットクック 電子レンジ | Jackery 1500Pro | -11%(17%) -3%(14%) |
※2 電力消費量と(電気残量)が一致しないのは、②で紹介するソーラー充電により溜めた電力量が含まれていないため
2)ソーラー充電で増えた電力量(期間中の天気)
ソーラー充電を行ったときの天候(午前・午後)、発電により増えた電気量などを表にまとめました。
日付 | 充電:午前 (6-12時) | 充電:午後 (13-18時) | 増えた電気量 (電気残量)※ |
6月8日(木) (実験1日目) | 夕食作りから 実験開始 | 夕食作りから 実験開始 | ー |
6月9日(金) (実験2日目) | 雨のち曇り 降水40-100% 温度20-21℃ | 曇り 降水20% 温度22度 | +1% (53%) |
6月10日(土) (実験3日目) | 曇り 降水10-20% 温度20-26℃ | 曇り 降水10-20% 温度22-23℃ | +12% (31%) |
6月11日(日) (実験4日目) | 曇り時々雨 降水60-90% 温度20-22℃ | 曇り 降水40-60% 温度21-23℃ | +1% (9%) |
6月12日(月) (実験5日目) | 雨 降水70-90% 温度21℃ | 雨 降水60-70% 温度21-22℃ | 0% (9%) |
6月13日(火) (実験6日目) | 曇り時々晴れ 降水20-30% 温度20-25℃ | 曇り 降水30-50% 温度22-28℃ | +11% (20%) |
6月14日(水) (実験7日目) | 曇り時々雨 降水40-70% 温度23-26℃ | 曇り 降水40-50% 温度21-26℃ | 4% (24%) |
6月15日(木) (実験8日目) | 曇り 降水20-30% 温度21-24℃ | 曇り時々雨 降水40-80% 温度21-24℃ | +4% (28%) |
合計 | - | - | +33% |
実験期間中の詳細
6月8日(木):実験1日目(初日)
実験夕食作りから始まりました。
前もって電気を溜めておいたJackery 1500Proを調理家電(ホットクック)につなぎ、夕食作りで電気がどれだけ減少するかを検証します。
実験初日の6月8日は、Jackery 1500Proに溜まっていた83%の電気を使い、サラダチキン(夕食の主菜)とごはん5合を作りました。
開始時には83%あった電気は、サラダチキンの調理によって13%減少し、お米の炊飯(5合)で18%減少しました。
つまり83%あった電気は合計31%減少し、最終的には52%となりました。
調理時間 | 調理前残量 | 調理後残量 | 使用電気量 | |
サラダチキン | 25分 | 83% | 70% | △13% |
炊飯(5合) | 60分 | 70% | 52% | △18% |
6月9日(金):実験2日目
ソーラー充電
午前(写真左) | 午後(写真右) | ソーラー充電量 |
雨のち曇り 降水40-100% 温度20-21℃ | 曇り 降水20% 温度22度 | 52%⇒53% +1% |
電気を使った翌日の昼間は、ソーラーパネルとポータブル電源をベランダに出して、ソーラー充電でどれだけ電気が溜まるかを検証します。
雨や曇りが多い梅雨の真っただ中、最悪の季節での検証です。
午前中は「雨のち曇り」、午後は「曇り」だったこの日は、電池残量52%⇒53%の1%しか充電できませんでした。
夕食づくり(料理)
6月9日は、Jackery 1500Proに残っている53%の電気を使い、ホットクックで夕食の主菜(鶏の甘酢炒め)を作ると共に昨晩炊いたご飯を電子レンジで温めました。
Jackery 1500Proの電気残量の推移は次の通りです。
調理時間 | 調理前残量 | 調理後残量 | 使用電気量 | |
鶏の甘酢炒め | 60分 | 53% | 23% | △30% |
ごはん温め | 3分 | 23% | 19% | △4% |
6月10日(土):実験3日目
ソーラー充電
午前(写真左) | 午後(写真右) | ソーラー充電量 |
曇り 降水10-20% 温度20-26℃ | 曇り 降水10-20% 温度22-23℃ | 19%⇒31% +12% |
午前中は「雨のち曇り」、午後は「曇り」だったこの日は、19%だった電池残量が12%増え、最終的には31%になりました。
夕食づくり(料理)
6月10日の夕食は、Jackery 1500Proに残っている31%の電気を使い、ホットクックで主菜(カレー)を作ると共に昨晩炊いたご飯を電子レンジで温めました。
Jackery 1500Proの電気残量の推移は次の通りです。
調理時間 | 調理前残量 | 調理後残量 | 使用電気量 | |
カレー | 45分 | 31% | 5% | △26% |
ごはん温め | 2分 | 5% | - | % |
カレーが完成した時点で、Jackery 1500Proの電池残量は5%になってしまいました。
この電池残量ではこれ以上料理を続けることができませんので、Jackery 1500Proを使うのはいったんあきらめることになりました。
ポータブル電源の電池がなくなってしまったら、調理家電を壁のコンセントにつないで料理をするしかありません。我が家はポータブル電源を複数台持っているため、別のポータブル電源(Jackery 1500)につなぎなおして料理を続けました。ポータブル電源の2セット持ちについては、別の章で紹介します
6月11日(日):実験4日目
ソーラー充電
午前(写真左) | 午後(写真右) | ソーラー充電量 |
曇り時々雨 降水60-90% 温度20-22℃ | 曇り 降水40-60% 温度21-23℃ | 5%⇒9% +4% |
電池残量が5%しか残っていないJackery 1500Proをソーラー充電しましたが、この日もあいにくの天気で、5%だった電池残量は4%しか増えず、最終的には9%で終わりました。
夕食づくり(料理)
6月11日の夕食はホットクックで肉じゃがを作った後に、ご飯を5合炊きました。
Jackery 1500Proは、電池残量9%しかないため使えません。
よって、Jackery 1500Proの電気残量は減ることもなくそのままです。
調理時間 | 調理前残量 | 調理後残量 | 使用電気量 | |
肉じゃが | 35分 | 9% | 使用せず | △0% |
炊飯(5合) | 60分 | 9% | 使用せず | △0% |
9% |
6月12日(月):実験5日目
ソーラー充電
午前(写真左) | 午後(写真右) | ソーラー充電量 |
雨 降水70-90% 温度21℃ | 雨 降水60-70% 温度21-22℃ | 9%⇒9% +0% |
電池残量が9%のJackery 1500Proをソーラー充電しましたが、この日は1日雨だったため電池残量は全く増えませんでした(9%⇒9%)。
夕食づくり(料理)
6月12日の夕食はホットクックで五目麻婆春雨を作り、昨日炊いたご飯を電子レンジで温めました。
Jackery 1500Proの電池残量は、この日も9%のままなので使えません。
よって、Jackery 1500Proの電気残量は減ることもなくそのままです。
調理時間 | 調理前残量 | 調理後残量 | 使用電気量 | |
五目麻婆春雨 | 35分 | 9% | 使用せず | △0% |
ごはん温め | 2分 | 9% | 使用せず | △0% |
9% |
6月13日(火):実験6日目
ソーラー充電
午前(写真左) | 午後(写真右) | ソーラー充電量 |
曇り時々晴れ 降水20-30% 温度20-25℃ | 曇り 降水30-50% 温度22-28℃ | 9%⇒20% +11% |
午前中は「曇り時々晴れ」、午後は「曇り」だったこの日は、9%あった電池残量が11%増えて20%となりました。
夕食づくり(料理)
6月12日の夕食はホットクックで酢豚を作り、昨日炊いたご飯を電子レンジで温めました。
Jackery 1500Proの電池残量は、この日もまだ20%なので使いませんでした。
よって、Jackery 1500Proの電気残量は減ることもなくそのままです。
調理時間 | 調理前残量 | 調理後残量 | 使用電気量 | |
酢豚 | 20分 | 20% | 使用せず | △0% |
ごはん温め | 2分 | 20% | 使用せず | △0% |
20% |
6月14日(水):実験7日目
ソーラー充電
午前(写真左) | 午後(写真右) | ソーラー充電量 |
曇り時々雨 降水40-70% 温度23-26℃ | 曇り 降水40-50% 温度21-26℃ | 20%⇒24% +4% |
午前中は「曇り時々雨」、午後は「曇り」だったこの日は、電池残量20%から4%増えて、最終的には24%となりました。
夕食づくり(料理)
6月14日の夕食はホットクックで大根の煮物を作り、先日炊いたご飯を電子レンジで温めました。
Jackery 1500Proの電池残量はまだ24%なので、この日もまた別の電気を使いました。
よって、Jackery 1500Proの電気残量は減ることもなくそのままです。
調理時間 | 調理前残量 | 調理後残量 | 使用電気量 | |
大根の煮物 | 35分 | 24% | 使用せず | △0% |
ごはん温め | 2分 | 24% | 使用せず | △0% |
24% |
6月15日(木):実験8日目(最終日)
ソーラー充電
午前(写真左) | 午後(写真右) | ソーラー充電量 |
曇り 降水20-30% 温度21-24℃ | 曇り時々雨 降水40-80% 温度21-24℃ | 24%⇒28% +4% |
午前中は「曇り」、午後は「曇り時々雨」だったこの日は、電池残量24%が4%増えて28%となりました。
夕食づくり(料理)
Jackery 1500Proの電池残量が28%まで回復したので、この日からまたJackery 1500Proを使い、ホットクックで主菜(エビチリ)を作ることにしました。
また先日炊いたご飯を電子レンジで温めました。
28%あった電気量は、エビチリの調理とごはんのあたためで14%まで減りました。
調理時間 | 調理前残量 | 調理後残量 | 使用電気量 | |
エビチリ | 25分 | 28% | 17% | △11% |
ごはん温め | 2分 | 17% | 14% | △3% |
今回の実験はここで終了ですが、電池残量は18%しか残っていません。Jackery 1500Proをこの先も使って夕食を作るのであれば、翌日はソーラー充電で電気を溜めないと使えません。曇りや雨が続く季節にソーラー充電してポータブル電源を使うのであれば、かなり綱渡りになることを覚悟しなければなりません
曇りや雨が続く季節でも効率的に節電するための対策
曇りが雨が続く季節でもソーラー充電で効率的に節電できる、2つの方法を紹介します。
1) 晴れた日には徹底してソーラー充電する
雨や曇りの多い季節でも、晴れる日は必ずあります。
晴れた日、晴れた時間を可能な限り有効に使い、できるだけ多くの量のソーラー充電をすることが大切です。
今回の実験が終わったちょうど次の日(6/16)は久しぶりの晴れた1日でした。
逃すのはもったいない絶好のチャンスなので、14%しか電気が残っていないJackery 1500ProとSolarSaga 200を近くの河川敷に持ち出しました。
4時間ほど充電したら、14%だった電気残量はあっという間に100%まで回復しました。
これでまた数日間、ソーラー発電した電気で夕食を作ることが可能となりました。
午前 | 午後 | ソーラー充電量 |
晴れ時々曇り 降水30% 温度21-29℃ | 晴れ時々曇り 降水0-30% 温度26-30℃ | 14%⇒100% +86% |
2) ポータブル電源の2セット持ち(複数セット持ち)
Jackery 1500Pro内の電気が尽きて使えなかった期間(6/10のごはん温めから6/14まで)は、他の電気もしくは他のエネルギーを使って料理をするしかありませんでした。
普通であれば壁のコンセントから電気かガスを使います。
しかし我が家ではポータブル電源を複数台(セット)持っているため、Jackery 1500Proが使えなかった期間は他のポータブル電源(Jackery 1500)を使いました。
Jackery 1500にはソーラー充電で作った電気が溜めてあったため、電気代はもちろん無料です。
上のグラフはJackery 1500に溜めてあった91%の電気が減っていった様子(オレンジ線)をJackery 1500Proの電気残量(青い線)に重ねたグラフです。
ポータブル電源を2台使えたので、雨や曇りの多い期間でも夕食作り(料理)を無料の電気で作り続けることができました。
とはいえ6月14日の時点でJackery 1500の電気残量も7%まで減ってしまいました。
それ以上使えない状況でしたが、先に書いた「晴れた1日(実験の翌日6/16)」を有効に活用して、満タン近くまで充電できました。
2セット持ちしているので、Jackery 1500にSolarSaga 100を2枚つなげて充電することができました。
ポータブル電源を2セット持ちすると、初期費用がそれだけ掛かります。「電気代の節約で元を取る」ということはおそらく不可能ですが、ポータブル電源1セットでは不自由に感じる点を補えます。2セット持ちに興味のある方はこちらの記事もぜひご覧ください
最近はエクストラバッテリー単体でもソーラー充電できる機種が出てきています。ポータブル電源を2セット持ちしなくてもエクストラバッテリーが付けられるポータブル電源とソーラーパネルを複数枚持っていれば同じ効果が得られます。7月に発売されるJackery 1000Plusは、この課題を解決してくれる待望のポータブル電源です
まとめ
今回の実験では、曇りや雨の日が何日も続く「最悪の状況下」でソーラー充電を行ったため、節電に使える電力量はほとんど増えませんでした。
そして「ソーラー発電で溜められる電気量が十分ではなく、ポータブル電源を毎日使い続けるのは困難」という結論に至りましたが、これは「最悪の状況下」での結論です。
天候がもっと良いときであれば、ソーラー充電でより多くの電気を作れますし、より多くの節電が期待できます。
また最近はソーラー充電の速度が速い機種や、ソーラー入力W数が大きな機種も出てきていますので、そのような機種を選べばより多くの「節電」が期待できます。
今回の実験で使ったジャクリのポータブル電源は、ソーラー充電に強みを持った「節電」におすすめのメーカーです。
いくつか記事を載せておきますので、ぜひそちらもご覧ください。