ポータブル電源でドライヤーを使いたい!選ぶポイント・節電できる使い方徹底解説

ポータブル電源でドライヤーを使いたい

みなさんこんにちは ! 管理人のありーなです

アウトドアや災害時に、ポータブル電源でドライヤーを使いたいと考えている方は多いですよね。

でも

「ポータブル電源で使えると思っていたドライヤーが使えなかった」
「ポータブル電源でドライヤーを使ったら、すぐに電気が消えてしまった」

こんな声を聞いたことはありませんか?

こちらの記事では、ドライヤーを使うポータブル電源を選ぶときのポイントや、ポータブル電源の電気を節約できる使い方などを詳しく解説します。

実際にポータブル電源でドライヤーを動かし、消費電力などを測定したデータも掲載しています。

ドライヤーを使うポータブル電源選びのポイントを知りたい!
ポータブル電源でドライヤーを使う時の節電方法を知りたい!

そんな方はぜひ続きをご覧ください。

この記事では、以下のポータブル電源とドライヤーを使い、具体例を紹介します。また、これらの機材を使った実験(計測)を通して詳細を説明します

【記事内で使っているポータブル電源とドライヤー】
ポータブル電源ドライヤー①ドライヤー②
Bluetti AORA100Panasonic EH-NE5APanasonic EH-KA1E
定格出力:1800W
最大出力:2700W
容量:1152Wh
消費電力:1200W消費電力:700W


目次

1. ドライヤーを使うポータブル電源の選び方

1) ポータブル電源選びのポイントは、定格出力と消費電力

ドライヤーは日常生活で頻繁に使う家電製品の一つです。

「アウトドアでも停電時でもドライヤーを使いたい」と考える人にとって、ポータブル電源選びは重要なポイントになります。

では、今使っているドライヤーを動かすためには、どんなポータブル電源を選べばよいのでしょうか?

ドライヤーを動かせるポータブル電源を選ぶ際の最も重要なポイントは、「定格出力と消費電力の関係」です

ポータブル電源の定格出力がドライヤーの消費電力を上回っていれば、そのドライヤーを使用できます。

逆に、定格出力が下回っている場合は使用できません。


【ドライヤーを動かせる、ポータブル電源選びのポイント1】

ポータブル電源の定格出力 ≧ ドライヤーの消費電力


参 考

【具体的な例で解説!】

ポータブル電源とドライヤーの具体例を紹介すると、以下の通りです。ドライヤーの消費電力がポータブル電源の定格出力より小さいので、どちらのドライヤーも使えます

ポータブル電源ドライヤー
Bluetti AORA100
定格出力:1800W
>① Panasonic EH-NE5A
消費電力:1200W

② Panasonic EH-KA1E
消費電力:700W


「ドライヤーを動かせる、ポータブル電源選びのポイント」に関連して、いくつかの情報を掲載します


2) ドライヤーの消費電力は意外と大きい

ドライヤーの消費電力は意外と大きいことをご存じでしょうか。

一般的なドライヤーの消費電力は、1000Wから1500W程度です。

アタッチメント式ドライヤーや小型のドライヤーの場合、1000W以下の商品もありますが、機種によって消費電力は異なります。

ご自宅にあるドライヤーの、消費電力を確認してみましょう。

記事内で使っているドライヤー①Panasonic EH-NE5Aは「一般的なドライヤー」、②Panasonic EH-KA1Eは、「アタッチメント式ドライヤー」です


3) ドライヤーの消費電力は、モードによって異なる

ドライヤーの本体ラベルには「〇〇W」と消費電力が記載されていますが、実際の消費電力は 風量や温度設定によって変動します。

最近のドライヤーには温風・冷風だけでなく、さまざまなモードが搭載されています。

しかし、モードごとの消費電力が取扱説明書に記載されていない場合もあります。

記事内で使っている2台のドライヤーも、取扱説明書にはモード別消費電力の掲載がありませんでした。

そこで、ポータブル電源のモニターで実際に測定したところ、モードによる消費電力の差は非常に大きいことが分かりました。

ドライヤーのモード別消費電力

ドライヤー① Panasonic EH-NE5Aの場合
モード消費電力
本体ラベル記載
(写真左)
取扱説明書記載
(写真中央)
ポータブル電源表示
(写真右)
TURBO(ターボ)1200W1200W
(TURBO時)
1138W
DRY(ドライ)1060W
COLD(コールド)90W
ドライヤー② Panasonic EH-KA1Eの場合
モード消費電力
本体ラベル記載
(写真左)
取扱説明書記載
(写真中央)
ポータブル電源表示
(写真右)
DRY(ドライ)700W700W
(DRY時)
613W
SET(セット)399W
COLD(コールド)55W

どちらのドライヤーもCOLDモードの消費電力は100W未満 で、最も消費電力の大きなモードの 1/12 程度でした。このことを知っていれば、停電時など電気を節約したいときに役立ちます


4) ドライヤーの起動電力は、気にする必要はない

ドライヤーはモーターを使用する家電製品のため、運転開始時(スイッチON時)に 起動電力 が必要です。

起動電力とは、一時的に大きな電力が必要となることで、通常の運転時の消費電力よりも大きくなることがあります。

そのため、電化製品の起動電力がポータブル電源の「最大出力」を超えると、ポータブル電源の保護回路が作動し、電源が遮断される可能性があります

【ドライヤーを動かせる、ポータブル電源選びのポイント2】

ポータブル電源の最大出力 ≧ ドライヤーの起動電力


とはいえ、最近のポータブル電源は 定格出力の 1.5~2 倍程度の最大出力を持つものが一般的です。

特に ドライヤーを動かせるレベルの定格出力を持つポータブル電源なら、十分な最大出力が確保されているため、起動電力を過度に気にする必要はありません。

参 考

【具体的な例で解説!】

記事で使っている2台のドライヤー取扱説明書には起動電力の記載がなかったため、ポータブル電源のモニターで実際に測定したところ、以下の結果となりました

ポータブル電源ドライヤー
Bluetti AORA100
最大出力:2700W
>① Panasonic EH-NE5A
起動電力:1160W
(取扱説明書記載 定格出力:1200W)

② Panasonic EH-KA1E
起動電力:623W
(取扱説明書記載 定格出力:700W)


実測した各ドライヤーの起動電力は、取扱説明書などに記載されている「消費電力」の数値さえも下回っていました。このことから推測すると、ドライヤーの起動電力は、それほど大きくないと言えそうです


2. 消費電力が定格出力を上回る場合でもドライヤーを使えるケース

前述のとおり、ポータブル電源の定格出力がドライヤーの消費電力を下回る場合、そのドライヤーは通常動作しません。

しかし、必ずしも全く使えないわけではありません。以下の2つのケースでは、ドライヤーを使用できる可能性があります。

1) ポータブル電源の定格出力以下のモードなら使用可能

ドライヤーはモードによって消費電力が異なります。

使用するモードの消費電力がポータブル電源の定格出力を下回っていれば、そのモードであれば使用可能です。

例として、定格出力800Wのポータブル電源Jackery 600Plusで、異なるドライヤーを使用した場合の可否を表にまとめました。

Jackery 600Plus (800W)によるドライヤー① (1200W) の使用可否

Jackery600PlusPNG消費電力Jackery 600Plus
使用可否
TURBO(ターボ)1139W×
DRY(ドライ)1060W×
COLD(コールド)90W

Jackery 600Plus (800W)によるドライヤー② (700W) の使用可否

消費電力Jackery 600Plus
使用可否
DRY(ドライ)613W
SET(セット)399W
COLD(コールド)55W

Jackery 600Plus は、ドライヤー②の全てのモードで使えますが、ドライヤー①ではCOLDモードのみ使用可能です


2) 電力ブースト機能付のポータブル電源を使う

一部のポータブル電源には、定格出力を超える家電製品の使用を可能にする「電力ブースト機能」が搭載されています。

代表的なものに、Bluettiの「電力リフト機能」やEcoFlowの「X-Boost機能」などがあります。

この機能を使うと、たとえば定格出力600Wのポータブル電源でも、消費電力1200Wまでのドライヤーを使用できます。

ただし、この機能を利用すると、ドライヤーの出力が抑えられるため、風量や熱量が減少し、乾かし終わるまでの時間が長くなることがあります。

参 考

【電力ブースト機能付ポータブル電源の例】

Bluetti AC60 は、電力ブースト機能(電力リフト機能)を搭載しています。消費電力1200Wまでの家電製品なら、その消費電力を定格出力と同じ600Wに抑えて動作させることが可能です

Bluetti AC60

定格出力:600W
電力ブースト機能:1200W
最大出力:1200W
容量:403Wh

BluettiのWEBサイトには「電力リフト機能はドライヤーや電気ケトル、ヒーター、こたつ、電気毛布、トースターなど、電熱線搭載の家電(抵抗負荷)に限って使用可能」と書かれています。「電力ブースト機能」は災害時などいざという時にあると便利な機能ですが、使える家電が限られるので注意が必要です。電熱線搭載家電以外で消費電力が大きな家電を使いたい人は、「電力ブースト機能」ではなく「定格出力」が十分大きなポータブル電源を選ぶことをおすすめします


3. ポータブル電源でドライヤーを使う際の節電テクニック

ポータブル電源は、電力がなくなれば「ただの箱」になってしまいます。

長く使用するためには、効率的に電気を節約しながら使うことが大切です。

特にドライヤーは消費電力が大きいため、工夫次第で大幅な節電が可能です。

ここでは、ポータブル電源でドライヤーを使う際の節電テクニックを紹介します。

1) ドライヤーのモードを使い分けて、電気を節約する

ドライヤーの消費電力は、使用するモードによって異なります。

消費電力の低いモードを選ぶことで、ポータブル電源の電力を節約できます。

では、実際にどれほどの差があるのか、検証データを見てみましょう。

【検証条件】

満充電(100%)のポータブル電源(Bluetti AORA100)を使用し、電気残量が2%減少するまでの時間を計測。2台のドライヤーのモード毎に検証して比較


① Panasonic EH-NE5A:AC100V 1200W

モード消費電力電池残量98%に
なるまでの時間
TURBO(ターボ)1139W1分15秒
DRY(ドライ)1060W1分24秒
COLD(コールド)90W11分7秒

② Panasonic EH-KA1E:AC100V 700W

モード消費電力電池残量98%に
なるまでの時間
DRY(ドライ)613W2分
SET(セット)399W3分58秒
COLD(コールド)55W15分32秒


【モードの使い分けによる節電】

✓ モードによって、ドライヤーを使える時間が大きく違う

✓ ヒーターを使わないCOLD(コールド)モードは、飛びぬけて長時間使える

✓ 同じ電気量でより長時間使えるモードの方が、節電になる


2) ドライヤー使う前の準備で、電気を節約する

① ドライヤー前のタオルドライを徹底する

・ドライヤーの前に、吸水性の高いタオルを使ってしっかりと水分を拭き取る

・タオルドライを丁寧にするだけで、ドライヤーの使用時間を大幅に短縮可能

② ドライヤー前にブラッシングで水気を分散させる

・ブラシや手ぐしで髪をとかし、水分を均一に分散させる。

・これにより、ドライヤーの風が均等に当たり、効率よく乾燥できる

【ドライヤー前の準備で節電】

✓ ドライヤーを使う前段階で水分を減らし、ドライヤーを使う時間を短縮させることで節電できる


3) ドライヤーの使い方を工夫して電気を節約する

① ドライヤー中に手櫛などで風の通りをよくする

・髪をとかしながら風を当てることで、効率的に乾かせる

・特に、髪の根元に風を当てると乾燥時間が短縮できる

ドライヤーを振りながら使う

・ドライヤーを固定せず、風を分散させながら使うことで、熱が一箇所に集中するのを防ぐ

・髪全体を均一に乾かせるため、短時間で仕上げられる

③ 髪の根元から乾かす

・髪の根元は乾きにくいため、最初に乾かすと全体の乾燥時間を短縮できる

・仕上げにCOLDモードを使うと、電力を節約しながら髪を整えられる

【ドライヤーの使い方の工夫で節電】

✓ ドライヤーの熱・風を効率的に使うことで、節電につながる


4. ドライヤーで髪を乾かすのに必要な電気量はどれくらい?

ドライヤーで髪を乾かすためには、どれくらいの電力が必要なのでしょうか?

それを検証するために、異なるモードで実際に髪を乾かし、消費電力を測定しました。

モードごとの必要電力量や必要時間を把握することで、状況に応じた使い方が可能になります。

特に停電時やポータブル電源の電力を節約したいときに、どのようにドライヤーを使用するのが最適かを考える参考にしてください。

ここでは、短髪の男性と女性の2つのケースを紹介します。

1) 短髪の男性が髪を乾かすのに必要な電力量

短髪の男性は、髪の量が少ないため、比較的短時間で髪を乾かすことができます。

【測定方法】
・洗髪後、タオルで50回拭いた後、ドライヤーで髪が乾くまでの時間を測定

・左手にドライヤーを持ち、右手で手櫛をしながら風を当てる

・使用したドライヤー:Panasonic EH-NE5A

・ポータブル電源:Bluetti AORA100(満充電100%の状態から測定)

モード消費電力乾くまでの時間終了時の電気残量
TURBO(ターボ)1139W1分99%
DRY(ドライ)1060W1分30秒98%
COLD(コールド)90W2分100%

本実験は災害時の停電を想定しており、できるだけ電気を節約することを重視しています。そのため、完全に乾くまでの時間ではなく、十分に乾いたと判断したタイミングで計測しています


2) 女性が髪を乾かすのに必要な電力量

女性の場合、短髪の男性と異なり、タオルでゴシゴシと拭くことは少ないため、洗髪後のタオルドライは「1分間」と決めて水気を取った上で、ドライヤーを使用しました。

【測定方法】
・タオルドライ後、異なるモードでドライヤーを使用し、乾くまでの時間と消費電力量を測定

・使用した機材や乾かし方は、男性のケースと同様

モード消費電力乾くまでの時間終了時の電気残量
TURBO(ターボ)1139W2分23秒95%
DRY(ドライ)1060W2分32秒95%
COLD(コールド)90W4分32秒100%

この結果から、短時間で乾かしたい場合は高出力モード(TURBOやDRY)が有効ですが、電力を節約したい場合はCOLDモードの活用が有効であることが分かります。停電時やキャンプなどでポータブル電源を使う際は、状況に応じて適切なモードを選択すると良いでしょう

参 考

【COLDモードで乾かすと髪がゴワつく】

男性の短髪では気になりませんでしたが、女性がCOLDモードで髪を乾かした場合、乾いた後のゴワつきが気になったようです。ゴワつくのが嫌な場合は、他のモードを使う方が良いのですが、電気を節約したい状況ならば、ヘアオイルやヘアミストなどを使うことをおすすめします



まとめ:ポータブル電源でドライヤーを使いたい!

この記事は、ポータブル電源でドライヤーを使う際の選び方、節電方法、そして実際に必要な電力量などについて解説してきました。

ポータブル電源を選ぶ上で最も重要なのは、定格出力がドライヤーの消費電力を上回っていることです。

ドライヤーはモードによって消費電力が大きく異なるため、COLDモードなどの低消費電力モードを賢く利用すれば、効果的に節電できます

さらに、ドライヤーを使う前にタオルドライやブラッシングを丁寧に行うことや、使用時に風の通りを良くする工夫をすることでも、使用時間を短縮し、節電につながります。

つまり、消費電力の少ないモードを選びつつ、ドライヤーを効率的に使うことが節電の鍵となります

ドライヤーの使用に適したポータブル電源の選び方と節電テクニックを理解すれば、アウトドアや災害時など、ポータブル電源をより快適かつ効果的に活用できるでしょう。

\ 記事内で使っているBluetti AORA100については、こちらもご覧ください/



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