ポータブル電源のバッテリー 充電/放電の仕組み、リチウムイオン電池の種類・特徴

ポータブル電源バッテリー

みなさんこんにちは ! 管理人のありーなです

アウトドアや災害時に役立つポータブル電源ですが、その心臓部であるバッテリーについて詳しく知っている方は少ないかもしれません。

「ポータブル電源ってどうやって充電・放電してるの?」
「バッテリーの種類によって何が違うの?」
「リン酸鉄と三元系ってどっちがいいの?」

そんな疑問を解決するために、この記事ではポータブル電源のバッテリーに焦点を当て、充電・放電の仕組みから、種類別の特徴、選び方までを徹底的に解説します。

ポータブル電源のリチウムイオン電池について知りたい!
リン酸鉄リチウムイオン電池の強み・弱みについて知りたい!
三元系リチウムイオン電池の強み・弱みについて知りたい!
リチウムイオン電池の安全性について知りたい!
固体電池のポータブル電源について知りたい!

そんな方はぜひ続きをご覧ください。


ポータブル電源の性能は、搭載されているバッテリーの種類によって大きく左右されます。現在主流のリン酸鉄リチウムイオン電池は安全性と長寿命に優れ、三元系リチウムイオン電池は高エネルギー密度と軽量性を特徴としています


目次

1. ポータブル電源のバッテリーは二次電池

現在、ポータブル電源に使用されているのはリチウムイオン電池です。

リチウムイオン電池は、繰り返し充電して使える二次電池の一種です。

スマートフォンやノートパソコン、そしてポータブル電源など、私たちの身の回りで広く利用されています。

一次電池は、アルカリ乾電池のように一度使い切ると交換が必要な電池ですが、二次電池であるリチウムイオン電池は、高いエネルギー密度を持ち、軽量かつ長寿命であるため、繰り返し充電して使用することができます。

参 考

【リチウムイオン電池の特徴】

高いエネルギー密度: 小さなサイズで大きな電力を蓄えることができる

軽量: 持ち運びに便利

長寿命: 繰り返し充電しても性能が低下しにくい


これらの特徴から、ポータブル電源をはじめ、電気自動車やノートパソコン、スマートフォンなど、さまざまな電子機器に採用されています


2. リチウムイオン電池の充電・放電の仕組み

1) ポータブル電源(リチウムイオン電池)充電の仕組み

リチウムイオン電池は、正極(+電極)と負極(-電極)の間をリチウムイオンが移動することで充放電を行う二次電池です。

充電時、外部から電流が供給されると、リチウムイオンが正極から負極へと移動し、この移動によって電位差が生じ、化学エネルギーとして蓄えられます。

2) ポータブル電源(リチウムイオン電池)放電の仕組み

放電時には、充電時の反応と逆の現象が起こります。

具体的に言うと、外部回路に電流を流すために、負極に蓄えられていたリチウムイオンが正極へと移動します。

この際、リチウムイオンは電子を放出し、その電子が外部回路を流れ、電力を供給します。

このリチウムイオンの移動を繰り返すことで、充電と放電が行われる仕組みです。

3. リチウムイオン電池の種類と特徴

リチウムイオン電池は、正極(+電極)に使用する金属化合物によって様々な種類があります。

現在、ポータブル電源に多く採用されているのは、リン酸鉄系と三元系のリチウムイオン電池で、リン酸鉄リチウムイオン電池が主流です。


参 考

【今後のポータブル電源の主流になることが期待される電池】

全固体電池
液体電解液の代わりに固体電解質を使用することで、安全性とエネルギー密度の向上が期待される電池

ナトリウムイオン電池:
リチウムイオン電池に代わる次世代電池として注目されており、より安価で資源量の豊富なナトリウムを使用した電池


4. リン酸鉄リチウムイオン電池の強み・弱み

リン酸鉄リチウムイオン電池は、三元系リチウムイオン電池と比較して、安全性が高く、サイクル寿命が長く、自己放電が少ないという特徴を持ちます。

これらの特徴から、リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載したポータブル電源は、長期的な安定運用を重視するユーザーに最適です。


【リン酸鉄リチウム電池の強み(詳細)】

安全性:
過充電や過放電といった過酷な使用条件下でも安定しており、発火や爆発のリスクが低い

長寿命:
充放電を繰り返しても性能低下が少なく、長期間にわたって使用できる

自己放電率が低い
自己放電率が非常に低いため、長期間使用しない場合でも、充電した電力をほぼそのままの状態に保つことができます

低温特性:
低温環境下でも性能が低下しにくいため、冬場でも安定した性能を発揮する


リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載したポータブル電源は、家庭用蓄電池としての利用や、車中泊など、長時間安定した電力を供給したい場合に最適です。また、安全性が高いため、屋内での使用も安心して行えます


5. 三元系リチウムイオン電池の強み・弱み

三元系リチウムイオン電池は、リン酸鉄リチウムイオン電池と比較して、高いエネルギー密度を誇り、軽量コンパクトな設計が可能です。

そのため、持ち運びやすさに優れ、アウトドアや災害時など、外出先での利用に適しています

一方で、安全性サイクル寿命はリン酸鉄リチウムイオン電池に劣る傾向があります。

安全性と長寿命を重視するなら、リン酸鉄リチウムイオン電池搭載モデル、軽量性と高エネルギー密度を重視するなら、三元系リチウムイオン電池搭載モデルをおすすめします


6. ポータブル電源(リチウムイオン電池)の安全性

リチウムイオン電池の安全性は、ポータブル電源を選ぶ上で非常に重要な要素です。

特に、一度発火してしまうと消火が難しく、火災につながるリスクがあるため、注意が必要です。

安全性が高いとされているのが、「リン酸鉄系リチウムイオン電池」です。

この電池は、「三元系リチウムイオン電池」と比較して、熱安定性に優れており、発火や爆発のリスクが低いことが特徴です。

例えば、熱分解温度※が「三元系」の約220℃に対し、「リン酸鉄系」は約600℃と、高い熱安定性を示します。

しかし、「三元系リチウムイオン電池」を採用した製品でも、決して安全ではないというわけではありません。

多くのメーカーが、バッテリーマネジメントシステム(BMS)の強化や、筐体の設計の見直しなど、様々な安全対策を施しています。

これにより、「三元系」の持つ高いエネルギー密度を活かしながら、安全性も確保した製品が開発されています。


三元系リチウムイオン電池は、軽量コンパクトで高いエネルギー密度を実現できるため、持ち運びやすさを重視するユーザーに人気があります。特に、アウトドアやキャンプなど、機動性が求められるシーンでその真価を発揮します


参 考

【※熱分解温度とは】

熱分解温度とは、物質を加熱した際に化学反応が起こり、元の物質が分解し始める温度のことです。リチウムイオン電池の場合、この温度が低いと発火や爆発のリスクが高まります。三元系リチウムイオン電池が約200℃で分解し始めるのに対しリン酸鉄リチウムイオン電池は約700℃なので、約3.5倍安全性が高いとも言えます


7. 固体電池のポータブル電源

固体電池を搭載したポータブル電源は、その高い安全性から注目を集めています。

従来のリチウムイオン電池が液体の電解液を使用していたのに対し、固体電池は固体またはゲル状の電解質を使用することで、発火や爆発のリスクを大幅に低減しています。


固体電池のメリット

安全性: 液体電解質を使用しないため、発火や爆発のリスクが低い

長寿命: 充放電サイクル数が多く、長寿命である

急速充電: 短時間で充電できる

小型軽量化: 高エネルギー密度を実現し、小型軽量化が可能


これらの特徴から、固体電池を搭載したポータブル電源は、安全性と高性能を両立する次世代のポータブル電源として期待されています。


まとめ

今回の記事では、ポータブル電源の心臓部であるバッテリーに焦点を当て、充電・放電の仕組みや採用されるリチウムイオン電池の種類について解説しました。

ポータブル電源の性能は、搭載されているバッテリーの種類によって大きく左右されます。

リン酸鉄リチウムイオン電池は安全性と長寿命に優れ、三元系リチウムイオン電池は高エネルギー密度と軽量性を特徴としています。

各メーカーは、これらの電池の特徴を活かし、それぞれの製品に異なる魅力を持たせています。


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