この記事は今後も続くであろう食料価格高騰やこれから来るであろう食料不足に向けて、自宅で食料/食品の長期保存(備蓄)を行おうとしている人向けに書いています。
世界的なインフレや食料不足、流通コスト増大に伴う食料価格高騰は、最低でもこの先数年のスパンで続くことが予想されます。
その上 円安の進行により、世界規模で起きている食料争奪戦層でも、日本は買い負けていると言われています。
食料/食品を早めに手に入れて、できるだけ長期で保管するというのが今考えられる1つの方法ですが、そこで役立つのが「真空パック機」です。
そこで食料/食品の長期保存(備蓄)という観点から見た、家庭用真空パック機のおすすめ機種として「真空パックん」と「Food Saver」の機種を紹介します。
どうしてこの2ブランドの機種がおすすめなのか、その理由も紹介しますので最後までご覧ください。
この記事を読むと、次のようなことが分かります。
✔ どんな家庭用真空パック機が食料/食品備蓄に適しているかが分かります
✔ 真空パックんとFood Saverのおすすめ機種の特徴が分かります
✔ 自分の目的に合った真空パック機を見つけることができます
✔ おすすめの機種のマイナス面が理解できます
大切な人を守るために「将来に備えること」を日々探究している50代の「あり~な」がお伝えします!
目次
家庭用真空パック機は食料/食品備蓄に使えるのか?
真空パック機は袋や容器の中に食品を入れ空気を脱気(だっき)することで真空状態をつくり、食品が酸化したり傷んだりするのを防ぐことができる電化製品です。
最大の使用目的は、肉や魚、野菜などの生鮮食品の鮮度をキープしたり、作り置きしたい料理を美味しく保存することですが、最近は食料/食品の長期保存に利用する人も増えています。
真空パック機メーカーのWEBサイトなどには、「米や麺類、乾物などを長期保存するために真空パック機を使える」と実際に謳っているところもありますが、その「長期保存」が意味するところは曖昧です。
実際にどれくらいの期間の「長期保存」ができるのか、2つの企業に問い合わせてみました。
Q: 貴社の真空パック機は食料/食品の長期備蓄にも使えますか?
A: あくまでも家庭用の真空パック機ですので食品の鮮度を数日延ばす、または冷凍保存時に霜がつきにくくなるので冷凍焼けを防ぎ、解凍しても美味しく食べる事ができるといったことが目的の製品です。
業務用のガスバリア機能には対応しておりませんので何年も備蓄といったことにはあまり向いておりません。
A: 弊社製品は家庭用のため、長期備蓄のために特に重視しておく事項などはございません。食品の保存期間は最大で2~5倍、同じ食材でも真空保存する時の状態などで異なるため、具体的な保存期間につきましてはご案内致しかねます。
保存するモノの種類や保管方法、保管場所などによって違いが出てきますので、どちらの会社からもはっきりした返事はもらえませんでした。
しかし食料/食品を真空状態で保つことができる真空パック機は、食料/食品の保存期間を伸ばしてくれることには間違いありません。
その効果を最大限発揮できる真空パック機の条件は何か?ということから考え、より長い期間の保管に向いている真空パック機のおすすめを紹介します。
長期保管(備蓄)に適した家庭用真空パック機の条件
1. しっかり真空パックできるか ⇒ 高い脱気力
2.酸素や湿気、雑菌などをしっかりブロックできるか ⇒ 専用袋(パック)
3.効率的に真空作業が行えるか ⇒ 本体にパック収納・ロールカッター付き
1. しっかり真空パックできるか ⇒ 高い脱気力
真空パック機がもっている「空気を抜く力」のことを脱気力(kPs: キロパスカルで表示)といいます。
脱気力の数字が大きくなるほど袋(容器)内の空気を抜く力が強くなり、しっかりとした真空状態を作ることができます。
そのため食料/食品をできるだけ長く保存したい場合には、特にこの「脱気力」の数値が重要で、80kPs以上の真空パック機を選ぶ必要があります。
2. 酸素や湿気等をブロックできるか ⇒ 専用袋(パック)
食料/食品が劣化する原因はいくつかありますが、その中で最も大きいのは「微生物の活動による腐敗」です。
真空パックにして保存した食料/食品も袋の中に酸素や湿気(水分)が入ると、雑菌やカビなどが繁殖して劣化の原因となります。
そのため食料/食品の長期保存にはある特定の素材で作られた専用袋(パック)を使うのが望ましいと言えます。
専用袋(パック)が望ましい理由を説明します。
ガスバリア機能のある素材を使った袋
酸素や窒素などの気体を通さない袋のことを「ガスバリア袋」といいます。
一般的なビニール袋などは口を完全に閉めたとしても、時間と共に袋自体が微量の気体を徐々に通してしまいます。
そのため食料/食品を長期保存するのであれば、ガスバリア機能のある袋を使い真空パックしないと効果が長続きしません。
ガスバリア機能のある素材には次のようなものがあります。
【ガスバリア機能がある袋の素材】
・ナイロン
・エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH:エバール)
・アルミ
素材にナイロンポリを使った専用袋(パック)を使う真空パック機
袋の素材 | 酸素など気体の透過性 |
ナイロンポリ | 通さない |
ポリエチレン:PE | 通す |
ポリプロピレン:PP | 通す |
ビニール(ポリ塩化ビニル):PVC | 通す |
真空パック機の中には市販されている一般的な袋を使うタイプと、専用の袋を使うタイプがありますが、どんな素材の袋を使うかによって酸素など気体の透過性が異なります。
食料/食品を長期保存するのであれば、ナイロンポリを使った専用袋を使うタイプがおすすめです。
ナイロンポリ袋とは、酸素などを通さないガスバリア素材である「ナイロン」と、「ポリエチレン」を貼り合わせて作られたフィルム素材です。
「ナイロン」は酸素などを通しませんが、シーラーで圧着(押し付けて接着)や融着(熱を加え溶かして接着)しずらい特性があります。
一方「ポリエチレン」は酸素などを通しますが、熱に弱く圧着・融着しやすい特性があります。
この特性を合わせ真空包装やボイル用に作られたのが「ナイロンポリ」です。
真空パック機の中には「ナイロンポリ」製の専用袋(パック)を用意している機種がいくつかあります。
3. 効率的に真空作業が行えるか ⇒ 本体に収納・カッター付き
食料/食品を長期保存(備蓄)する場合、買ってきたものをまとめて真空パックするのが効率的でおすすめです。
保存する食料/食品の全体像を把握しながら、統一したやりかたで作業が進められるからです。
その時便利なのが、真空パック機本体にロールパックが「収納」でき、そのパックを必要な長さで切断できる「ロールカッター」が本体に付いている機種です。
真空パック作業をする前に袋やハサミ、カッターを用意する手間が省け、テキパキと作業できるのがメリットです。
乾燥野菜などは袋から空気が抜けにくいため、脱酸素剤を袋に入れて一緒に真空パックすることがあります。
脱酸素剤は酸素に触れ続けていると使えなくなるため、真空パック作業を短時間で行う必要があります。
備蓄で使う家庭用真空パック機おすすめランキング
上で説明した3つの条件を元に、食料/食品の長期保存(備蓄)におすすめできる家庭用真空パック機を選びました。
真空パックん PREMIUM
機種名 | 真空パックん PREMIUM |
サイズ | 幅40x奥行19.4x高さ11cm |
重量(本体) | 2.8kg |
電源 | AC100V50/60Hz |
消費電力 | 130W |
定価(基本セット※) | 15,800(税込) |
製造国 | 中国 |
保証 | 1年 |
1. しっかり真空パックできるか | 脱気力:58~89.9kPa 簡単操作のハンドル式ロック 押している間だけ脱気するパルスボタン 2重シールで強力密閉 シールの時間は3段階から選べる |
2. 酸素や湿気等をしっかりブロックできるか | 専用袋:ポリエチレン、ナイロンの7層構造 エンボス加工で高い密閉性 耐熱/耐冷温度: 100℃/-40℃ |
3. 効率的に真空作業が行えるか | ロールの本体収納:○ ロールカッター: ○ |
他機能 | 浸透圧でマリネが作れるマリネボタン付 専用ロール(大小)2本付 ボトルストッパー付 キャニスターホース付 真空室丸洗い可能 パックしたまま電子レンジ、湯銭、冷凍OK |
真空パックん plus
機種名 | 真空パックん plus |
サイズ | 幅40.1x奥行19x高さ9.2cm |
重量(本体) | 2.0kg |
電源 | AC100V50/60Hz |
消費電力 | 130W |
定価(基本セット※) | 12,800(税込) |
製造国 | 中国 |
保証 | 1年 |
1. しっかり真空パックできるか | 脱気力:84.6kPa |
2. 酸素や湿気等をしっかりブロックできるか | 専用袋:ポリエチレン、ナイロンの7層構造 エンボス加工で高い密閉性 耐熱/耐冷温度: 100℃/-40℃ |
3. 効率的に真空作業が行えるか | ロールの本体収納:○ ロールカッター: ○ |
他機能 | スープも真空できる液体用キャニスター付 浸透圧でマリネが作れるマリネボタン付 専用ロール(大小)2本付 カット済袋(大小)各5枚付 キャニスターホース2個付 ボトルストッパー付 パックしたまま電子レンジ、湯銭、冷凍OK |
Food Saver(フードセーバー)FM2110
機種名 | Food Saver FM2110 |
サイズ | 幅43.4x奥行23.4x高さ10.3cm |
重量(本体) | 2.37kg |
電源 | AC100V50/60Hz |
消費電力 | 120W |
定価(基本セット※) | 19,980(税込) |
製造国 | 中国 |
保証 | 1年 |
1. しっかり真空パックできるか | 脱気力:80 kPa 簡単フタ閉めロックレバー |
2. 酸素や湿気等をしっかりブロックできるか | 専用袋:ポリオレフィン、ナイロン、ポリエチレンの7層構造 特殊な脱気構造で高い密閉性 耐熱/耐冷温度: 100℃/-30℃ |
3. 効率的に真空作業が行えるか | ロールの本体収納:可 ロールカッター: 内蔵 |
他機能 | 汁気の多い食材に対応した密封時間加熱調整機能 水分量により吸引をコントロールする水分調整機能 専用ロール(大小)2本付 水分の多い食材向け真空フレッシュボックス付 ワイン等の酸化防止に真空ボトルストッパー付 ハンディシーラー付 真空室丸洗い可能 パックしたまま電子レンジ、湯銭、冷凍OK |
Food Saver(フードセーバー)FM2010(白)
機種名 | FM2010 |
サイズ | 幅43.2x奥行15.6x高さ9.9cm |
重量(本体) | 1.76kg |
電源 | AC100V50/60Hz |
消費電力 | 120W |
定価(基本セット※) | 17,980(税込) |
製造国 | 中国 |
保証 | 1年 |
1. しっかり真空パックできるか | 脱気力:80 kPa 簡単フタ閉めロックレバー |
2. 酸素や湿気等をしっかりブロックできるか | 専用袋:ポリオレフィン、ナイロン、ポリエチレンの7層構造 特殊な脱気構造で高い密閉性 耐熱/耐冷温度: 100℃/-30℃ |
3. 効率的に真空作業が行えるか | ロールの本体収納:× ロールカッター: × |
他機能 | 専用ロール(大小)2本付 水分の多い食材向け真空フレッシュボックス付 ワイン等の酸化防止に真空ボトルストッパー付 ハンディシーラー付 パックしたまま電子レンジ、湯銭、冷凍OK |
食料の長期保管は腐敗・劣化等による食中毒など、健康被害が発生させるリスクがあります。真空パック機を使った食料/食品の保管(備蓄)を行う場合は、慎重に管理しながら自己責任で行ってください。
おすすめした家庭用真空パック機のマイナス面
本体価格(1万円~2万円程)と消耗品価格がやや高め
真空パック機は安い機種だと数千円から売られていますので、この記事で紹介した機種は多少高く感じるかもしれません。
専用ロールなどの消耗品にお金がかかる点も同様です。
しかし、先に紹介した3つの条件を満たす真空パック機であれば、「食料/食品を長期に保管する」という所期の目的を果たせる可能性が高くなります。
性能の低い真空パック機だと次のようなトラブルが起き、作業のやり直しや食料/食品の廃棄などで手間と時間、お金が必要となる可能性が高まってしまいます。
・真空度合いが弱く容器(袋)内に空気が残ってしまう
・時間と共に容器(袋)内に酸素や雑菌、湿気、カビなどが混入してしまう
・容器(袋)内の匂いが漏れて、食品同士で匂いうつりしてしまう
サイズが多少大きいため置き場所のスペースがその分必要となる
おすすめで紹介した4台の内3台は本体にロールカッター付いており、パックが収納できるため、本体サイズが多少大きくなります。
しかし真空パック作業を行うたびに、パックを切るためのハサミ/カッターや食料を入れるための袋を用意するのはかなり面倒です。
パックを本体に収納できないということは、そのパックを保管しておくスペースが別に必要になるということでもあります。
多少サイズが大きくても、一緒に収納されていた方が手間もかからず効率的ともいえます。
真空パック機を初めて使う人はその音に少しびっくりするかもしれません。普段聞きなれない無機質な機械音のためその音が大きく感じますが、実際はさほど大きな音でもなくすぐに慣れてしまいます。
また真空パックする速さについてその優劣を書かれた記事がありますが、実際に使ってみるとその違いは気にならない程度です。それよりは長期保管するための機能がしっかり備わっているのかが大事なポイントです
まとめ
家庭用真空パック機は食品/食料の長期保管(備蓄)に使えますが、長期に食品/食料を保存するためには次の条件を満たした機種を使うことが必要です。
【長期保管(備蓄)に適した家庭用真空パック機の条件】
1. しっかりとした真空パックができる機種
⇒ 高い脱気力(kPa)がある機種
2. 酸素や湿気等をブロックできる機種
⇒ ナイロンポリを使った専用袋(パック)を使う機種
3. 効率的に真空作業が行える機種
⇒ 本体にパック収納・ロールカッターが付いている機種
これらの条件をすべて満たす次の3台の機種は食品/食料の長期保管(備蓄)に向いている機種といえます。
このおすすめ機種3台は本体価格、消耗品価格とも多少高くなりますが、食料/食品を長期に保管するという目的を果たすことができる十分な機能を持った3台です。
また、サイズが多少大きくなるため置き場所のスペースがその分必要となりますが、バラバラに置かれた袋(パック)やハサミ、カッターなどを使う度に集めるよりは効率的で手間もかからないというメリットの方が大きいのではないでしょうか。