みなさんこんにちは ! ありーなです
「ポータブル電源の出力ポートにはどんな種類があるの?」「それぞれの出力ポートの用途は?」
そんな疑問にお答えします
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目次
ポータブル電源のAC出力ポート
1) AC出力ポートの種類と用途(100V)
AC100Vの機器が使える出力ポートはA(アンペア)の大きさによって形状が異なります。
また接地口(アース口)があるものもあれば、ないものもあります。
家庭で使う電化製品は100V15Aや20Aがほとんどなので、この形状の出力ポートはほぼ全てのポータブル電源についています。
100V30AのAC出力ポートが付いている機種は、キャンピングカーなどに外部電源から電力を供給して、高出力家電(エアコンや電子レンジなど)に使ったり、大型工具や家庭内の高出力家電(エアコン、IHクッキングヒーターなど)などに使えます。
【100V 30Aの出力ポート搭載機種の例】
100V 30Aの出力ポートは、次のような機種に搭載されています。
AC出力ポート | 採用機種の例 |
AC100V 30A 写真左側の形状 | EcoFlow DELTA Pro/Jackery 3000Pro/Jackery 2000Plus |
AC100V 30A 写真右側の形状 | Bluetti AC200Max/Bluetti AC200L |
AC100Vの出力ポートを見ると、小型のポータブル電源は接地口(アース口)なしのAC出力ポート、大型になるほど接地口の付いたAC出力ポートになっています
2) AC出力ポートの種類と用途(120V/200V)
120Vの出力ポートは海外製の家電製品や業務用機器や電子機器、キャンピングカーなどで使われています。
200Vの出力ポートは業務用や家庭用の大型機器(エアコンや電子レンジ、IHクッキングヒーターなど)や電気自動車用急速充電スタンドなどで使われています。
【AC120V/200Vの出力ポート搭載機種の例】
AC120V/200Vの出力ポートは、次のような機種に搭載されています。
AC出力ポート | 採用機種の例 |
AC200V 30A | EcoFlow DELTA Pro ULTRA/EcoFlow DELTA Pro3 |
AC200V 20A | (写真左)ANKER Solix 3800 (写真右)EcoFlow DELTA Pro ULTRA/EcoFlow DELTA Pro3 |
AC120V 50A | (NEMA 14-50)Bluetti AC500+B300S |
AC120V 30A | (TT30-R)Bluetti AC500+B300S/Bluetti AC300+B300 (TT30-A)Bluetti AC240 (NEMA L5-30R)Bluetti AC500+B300S |
3) AC100V出力ポートの数について
家庭の電化製品で使うAC100V出力ポートは、最もよく使う出力ポートです。
メーカーや機種により搭載されているポート数は異なり、例えば同じ容量768Whの3機種を比べても3機種とも異なります(上写真)。
定格出力が最大の1200WあるANKER Solix C800のAC出力ポートは5口ありますが、定格出力が2番目に大きいBluetti AC70(1000W)が2口、定格出力が最も小さいEcoFlow RIVER2 Pro(800W)が4口です。
定格出力の大きさとAC出力ポート数は比例しておらず、AC出力ポートをいくつにするのかは各メーカー次第です。
AC出力ポート数が多い方が良さそうな気がしますが、必ずしもそういうわけでもありません。
もしポートが足りない状況となれば、テーブルタップ(延長コード)や三又コンセントを使えば普通に使えます。
使いもしない数の出力ポートが付いているのは、考え方次第では「無駄」ともいえます。
自分がポータブル電源を使う状況ではいくつのAC出力ポートが必要なのか、よく考えて機種を選ぶことも大切です
4) AC出力ポートの数と定格出力について
次に定格出力が同じ1000Wの3機種を比べてみます。
Bluetti AC70はAC出力ポート「2口」で定格出力1,000W、Jackery 1000ProはAC出力ポート「3口」で、定格出力1,000W、ANKER 555はAC出力ポート「6口」で定格出力1,000Wです。
「定格出力」とはAC出力ポートで「安定して出力し続けられる電力量」のことで、1口のポートだけ使ったときでも、6口のポートを使ったときでも使える上限は同じです。
3機種とも定格出力1000Wなので、上限の1000Wを分けて使えるのが2口なのか、3口なのか、6口なのか、各メーカーの設計思想によって異なっています。
「3) AC100V出力ポートの数について」で説明した通り、AC出力ポート数が足りなければ、その時だけテーブルタップ(延長コード)や三又コンセントを使い増やすことができます
5) AC出力ポートの3ピンコンセントと接地(アース)
AC出力ポートには、2ピンコンセント、3ピンコンセント、4ピンコンセントがあります。
家庭用コンセントは2ピンが一般的で、3ピンプラグの電化製品はたまに見かける程度ではないでしょうか?
ポータブル電源では3ピンコンセントが主流で、2ピンコンセントが付いているのは小型のポータブル電源に限られます。
そのような小型ポータブル電源でも最低1口は3ピンコンセントになっており、3ピンの電化製品を挿せない機種は見かけません。
ところで3本目のピンはどんな役割を持っているのでしょうか?
3本目のピンは電化製品から漏れる電気を放電するアースの役割を持っており、漏電による感電事故防止や静電気の発生を抑えてくれます。
ポータブル電源は3ピンコンセントが主流ですが、それは家電の3ピンコンセントを挿すための形であり、アース機能を持たせていないメーカーも多くあります。なぜならプラスチック製で二重絶縁構造になっているポータブル電源は、そもそも漏電しないと言われているからです
【ポータブル電源は接地(アース)を接続しないでいいの?】
ポータブル電源は家庭のコンセントとは異なり独立した電源装置となっているため、接地(アース)を接続する必要は基本的にありません。そもそも接地端子が付いていない機種がほとんどですが、機種によっては接地接続を推奨している場合もあるので取扱説明書などをよくご確認ください。
なお接地せずにポータブル電源を使用している場合、近くで雷が鳴ったら家電の使用を止め、コンセントを抜くことを推奨しているメーカーもあります
ポータブル電源のDC出力ポート
1) USB/シガーソケット出力ポート
ほぼすべてのポータブル電源にはUSBとシガーソケットのDC出力ポートが付いています。
USB出力ポート
USB出力ポートはノートPCやスマホ、外付けHDDやデジタルカメラなど、使う頻度が多い出力ポートです。
現在発売されているポータブル電源にはUSB-AとUSB-Cが複数付いていることが多いですが、機種によりそれぞれのポートの「最大出力」が異なります。
基本的には「最大出力」が大きいほど急速で充電できるため、ポータブル電源を購入するときには「最大出力」にも気を配るようにしましょう。
シガーソケット出力ポート
シガーソケット出力ポートは小型家電(ポータブル冷蔵庫や炊飯器、扇風機など)で使われる出力ポートです。
普段の生活で使うことはあまりありませんが、車中泊などをする人には便利なポートです。
2) DC5521など その他のDC出力ポート
ポータブル電源によっては特殊なDC出力ポートが付いているものがあります。
DC5521出力ポート
DC5521出力ポートは先端が外形5.5mm、内径2.1mmのコネクタになっており、12Vの直流を出力します。
36Wまでの電力を電圧や電流の変動の少ない安定した形で供給できるのが特徴で、ノートパソコンや監視カメラ、デジタルチューナーテレビ、モニター電源、無人機電源、ルーター電源などの小型の電化製品向きの出力ポートです。
ACコンセントより1.7倍省電力と言われ、車中泊などで使うと少ない電力で機器を動かせるので省エネになります。
アンダーソン出力ポート
アンダーソン出力ポートは主に電気自動車や電動工具など高電流の直流電力(DC)に使われます。
オスメスのコネクタが同じで着脱が容易、防水性に優れるのが特徴です。
ワイヤレス充電
ケーブルを使うことなくスマートフォンなどを充電できるのが特徴です。
ポータブル電源上部に搭載されたワイヤレス充電パットに対応機器を置くだけで充電が始まるため、とても手軽です。
【その他のDC出力ポート搭載機種の例】
DC5521などその他のDC出力ポートは、次のような機種に搭載されています。
AC出力ポート | 採用機種の例 |
DC5521 | EcoFlow DELTA Pro/EcoFlow DELTA2Max/EcoFlow DELTA2/EcoFlow RIVER2Pro/Bluetti AC200Max/Bluetti EB70S/Bluetti EB55など |
DC12V/30A 丸形コネクタ | Bluetti AC500+B300S/Bluetti AC300+B300/Bluetti AC200Maxなど |
DC48V 8A 航空プラグインターフェース | Bluetti AC200Lなど |
アンダーソンコネクタ | EcoFlow DELTA Pro |
DC48V 8A航空 プラグインターフェース | Bluetti AC200L |
ワイヤレス充電 | Bluetti AC500+B300S/Bluetti AC300+B300/Bluetti AC200Max/Bluetti AC180/Bluetti EB70S/Bluetti EB55など |
以前の記事「ポータブル電源の容量」で説明した通り、ポータブル電池はDC(直流)で電気を溜めるため、AC(交流)との変換時に変換ロスが発生します。つまり同じ電化製品でもAC電流で使うよりDC電流で使った方がより長く使える(電気を節約して使える)ということです。変換ロスについてはこちらをご覧ください
まとめ
今回の記事では「ポータブル電源の出力ポートの種類や用途」について紹介しました。
また、AC出力ポートの数や接地(アース)に対する考え方も紹介しました。
ポータブル電源を使う目的・用途は人それぞれ違います。
ポータブル電源をどんな目的・用途で購入するのかを明確にすれば、どんな出力ポート付きのポータブル電源を選べばよいのかも見えてきます。
ポータブル電源の用語を説明しているシリーズ記事は、こちらの目次からご覧ください
【目次:シリーズ ポータブル電源の用語】
#1 ポータブル電源とは?使い道は?
#2 ポータブル電源の「容量」-考え方と選ぶポイント-
#3 ポータブル電源の「定格出力」-定格出力と使える家電の関係、定電圧機能-
#4 ポータブル電源の「最大出力」-最大出力の役割、起動電力との関係-
#5 ポータブル電源の「環境温度」-推奨温度、高温・低温環境でのリスクと対策-
#6 ポータブル電源の「寿命」-サイクル数の考え方、長持ちされる使い方-
#7 ポータブル電源の「出力ポート」-AC・DCポートの種類と用途-
#8 ポータブル電源の「バッテリー」-充電/放電の仕組み、リチウムイオン電池の種類・特徴-
#9 ポータブル電源の「波形と周波数」-波形と周波数の種類-
#10 ポータブル電源の「静音性」-確認方法・選び方-
#11 ポータブル電源の「スマホアプリ」-できること・実際の操作-
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