みなさんこんにちは ! ありーなです
「ポータブル電源の定格出力って何?」「定格出力の大きさと使える家電の関係は?」「出力の大きな家電が使える定電圧機能って何?」
そんな疑問にお答えします
記事内にある写真をクリックすると、拡大して見ることができます
目次
ポータブル電源の「定格出力」とは?
ポータブル電源の「定格出力」とは、ポータブル電源が安定して出力し続けられる電力量のことで、W(ワット)という単位で表示されます。
W(ワット:電力)は次の2つを掛け合わせて計算できます
【W = A × V】
A(アンペア:電流):電気の流れる量
V(ボルト:電圧):電気を押し出す力
定格出力はポータブル電源の「AC出力ポートで使える電力量」のことで、USBやシガーソケットなどのDC出力は関係ありません
定格出力と電化製品との関係
ポータブル電源の定格出力は、どの電化製品を動かせるのかに関係しており、電化製品の消費電力(W)がポータブル電源の定格出力を上回る場合は、基本的には使えません。
「基本的に使えない」としたのは、電源を入れて少しの時間だけ動くがその後電気が落ちるため。
詳しくは以下の動画をご覧ください。
【定格出力より大きな消費電力を持つ電化製品をつなげた場合】
定格出力より大きな消費電力を持つ電化製品をAC出力ポートにつなぎ、スイッチをONにした場合、その電化製品は少しの間だけ動きます。しかし消費電力が定格出力を超えてしばらくすると、ポータブル電源の安全装置が作動して自動的に電気が落ちてストップします(安全装置内蔵のポータブル電源の場合)。
定格出力より大きな消費電力の電化製品を動かしてみた
撮影に使ったBluetti AC70は1分後に自動的に電気が落ちましたが、メーカーや機種により電気が落ちるまでの時間は異なります。5秒で電気が落ちるものもあれば45秒のものもあります
電化製品の消費電力を確認する方法
電化製品の消費電力は、本体に貼られたラベルか取扱説明書で確認できます。
上の写真の①のように本体ラベルにワット数だけ(255W)書かれている場合は、その数字が消費電力なので一目でわかります。
②のように「定格消費電力」と書かれている場合は、取扱説明書も確認する必要があります。
「定格消費電力」とは電化製品の機能を最大限に使用した際に消費する電力量のことで、強・弱の切替やモード切替、温度設定などができる電化製品に見られます。
取扱説明書を確認すると、強の場合〇W・弱の場合〇Wなど細かく記載されています。
消費電力の数字が「/(スラッシュ)」で区切られて2つ書かれている場合、スラッシュより前が東日本(50Hz帯)、後ろが西日本(60Hz帯)での消費電力です
定格出力と消費電力の注意点
1) 複数台の電化製品を使う場合は消費電力合計W数で考える
使う電化製品が複数ある場合も、定格出力と消費電力の関係は同じです。
電化製品の消費電力合計がポータブル電源の定格出力より小さければ使えるし、大きければ使えません(上写真参照)。
「最大出力」についての記事で説明しますが、モーターが使われている電化製品は起動時に大きな電力が必要となります。その起動電力がポータブル電源の最大出力を上回る場合、消費電力合計が定格出力を下回っている場合でも瞬間的に電気が落ちてしまい使えないことがあります
2) 強・弱や温度を変えられる家電は、設定次第では使える場合も
もしラベルに書かれた消費電力が定格出力を上まわっていても、設定を選べる電化製品なら使える場合があります。
上の写真のファンヒーターを定格出力1000Wのポータブル電源で使う場合、消費電力1200Wの「強」「強+加湿」では使えませんが、600W程度の「弱」や「加湿」などなら使えます。
電化製品によっては「自動」という設定がありますが、自動に設定すると室内温度などに合わせて出力が上下します。例えば上のファンヒーターの場合、室温が寒く「強」に近い出力で運転した場合、途中で電気が落ちてしまいます
3) 同じ電化製品でも、機種によって消費電力は異なる
「1000Wのポータブル電源でドライヤーが使えますか?」とか「600Wのポータブル電源で使える家電はどれですか?」というような質問を見かけますが、これに対する回答は
「実際にあなたが使う電化製品の消費電力次第です」となってしまいます。
例えば炊飯器の場合、「象印の極め炊き」という同じ製品でもマイコン炊飯器なのか、IH炊飯器なのか、圧力IH炊飯器なのかで消費電力は異なります(上写真)。
さらに言うと、同じ「IH炊飯器」でも商品によって消費電力は異なります。
同じことが全ての電化製品で言えるため、まずは自分が使いたい電化製品の消費電力は何Wなのかを確認する必要があります。
その上で、その電化製品を動かせる定格出力を持つポータブル電源を選んでください。
家にあるほとんどの家電を使いたい、という人の選び方
「どの家電をつかうかは分からない」「家にある電化製品をみんな使いたい」という人なら、定格出力が1500W以上あるポータブル電源を購入することをおすすめします。
なぜなら日本の一般家庭で使っているコンセントは100V 15A(1500W)がほとんどだからです。
大型エアコンなど一部の高出力家電には当てはまりませんが、普段使うほとんどの電化製品は1500Wあれば動かせます(上写真参照)。
定電圧機能とは
ポータブル電源のいくつかのメーカーでは「定電圧機能」が付いた機種を発売しています。
例えばBluetti(ブルーティ)社の「電力リフト機能」であり、EcoFlow(エコフロー)社の「X-Boost(エックスブースト)機能」です。
「定電圧機能」とは、電化製品側の出力を抑制し、電圧を下げてポータブル電源の定格出力内で動かす機能です。
上の写真で説明すると、Bluetti AC60は定格出力600W、定電圧機能1200Wを備えたポータブル電源です。
定電圧機能がONの状態で消費電力1200WのBALMUDA The Potを動かすと、定格出力(600W)の2倍の消費電力があっても、電気が落ちることなく動かせます。
ただし、The Pot側の出力を抑制して600W以内で動かすため、ポットのお湯が沸くまでの時間は通常より長くなります。
言葉で説明しても分かりにくいので、実際の様子を動画にしました。
1本目は定格出力1000WのBluetti AC70(定格出力2000W)で、消費電力1250Wの電気ケトル(ティファール)を動かした動画です。
Bluetti AC70を電力リフト機能ONで使ってみた
定格出力のON/OFF切替が、スマホアプリだけでなく手動でもできるのがBluetti AC70の特徴の一つです
2本目は定格出力800WのEcoFlow DELTA2 Pro(定格出力1000W)で、消費電力950Wの電気ヒーターを動かした動画です。
こちらの動画では「定電圧機能」OFFの状態で動かした様子と、ONにして動かした様子をご覧いただけます。
EcoFlow RIVER2Proを電力リフト機能ON/OFFで使ってみた
EcoFlow RIVER2 Proの定格出力(ON/OFF)切替はスマホのアプリからでしかできません
BluettiのWEBサイトには「電力リフト機能はドライヤーや電気ケトル、ヒーター、こたつ、電気毛布、トースターなど、電熱線搭載の家電(抵抗負荷)に限って使用可能」と書かれています。「定電圧機能」は災害時などいざという時にあると便利な機能ですが、使える家電が限られるので注意が必要です。電熱線搭載家電以外で消費電力が大きな家電を使いたい人は、「定電圧機能」ではなく「定格出力」が十分大きなポータブル電源を選ぶことをおすすめします
まとめ
今回の記事では「定格出力とは何か」「定格出力と家電の消費電力の関係」「定電圧機能とは何か」などを紹介しました。
「定格出力」はとても大切な項目で、ポータブル電源購入前によく理解をしておく必要があります。
なぜなら
1. ポータブル電源を買ってしまったら、その機種の「定格出力」は増やせない
2.使えると思っていた家電が実際には使えなかった時の絶望は大きい
からです。
①「定格出力」や「定電圧機能」をよく理解し、
②自分が使いたい電化製品の消費電力を事前に調べ
③自分の使用目的に合った機種選びをする ことをおすすめします。
ポータブル電源の用語を説明しているシリーズ記事は、こちらの目次からご覧ください
【目次:シリーズ ポータブル電源の用語】
#1 ポータブル電源とは?使い道は?
#2 ポータブル電源の「容量」-考え方と選ぶポイント-
#3 ポータブル電源の「定格出力」-定格出力と使える家電の関係、定電圧機能-
#4 ポータブル電源の「最大出力」-最大出力の役割、起動電力との関係-
#5 ポータブル電源の「環境温度」-推奨温度、高温・低温環境でのリスクと対策-
#6 ポータブル電源の「寿命」-サイクル数の考え方、長持ちされる使い方-
#7 ポータブル電源の「出力ポート」-AC・DCポートの種類と用途-
#8 ポータブル電源の「バッテリー」-充電/放電の仕組み、リチウムイオン電池の種類・特徴-
#9 ポータブル電源の「波形と周波数」-波形と周波数の種類-
#10 ポータブル電源の「静音性」-確認方法・選び方-
#11 ポータブル電源の「スマホアプリ」-できること・実際の操作-
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