みなさんこんにちは ! 管理人のありーなです
「ポータブル電源で電気代が節約できるって聞くけど、実際はどうなの?」
そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ポータブル電源を「元を取る」という観点から徹底的に検証します。
結論から言えば、電気代の節約だけでポータブル電源の購入金額を回収するのは難しいですが、ポータブル電源を賢く選び、上手に活用すれば、「元を取れる」可能性は十分にあります。
ポータブル電源の「元」を最大限に引き出すためのポイントを、ぜひ最後までご覧ください。
●電気代節約だけで元を取ることができるのかを知りたい!
●より多く元を取るための選び方・使い方のポイントを知りたい!
そんな方はぜひ続きをご覧ください。
ポータブル電源は節電だけで元を取るのは難しいですが、選び方や使い方次第で元を取れる可能性が高まります
目次
1. 電気代節約だけで元を取るのは「ほぼ不可能」
1) ポータブル電源による節電方法
ポータブル電源を活用して電気代を節約する方法は、大きく分けて2つあります。
一つは、太陽光発電で作った電気をポータブル電源に蓄えて利用する方法、もう一つは、電気料金の安い時間帯にポータブル電源を充電し、昼間にその電気を使う方法です。
① 太陽光発電で作った電気を使う節電方法
まず一つ目の方法は、ソーラーパネルとポータブル電源を組み合わせ、太陽光発電によって
ソーラー発電で作りポータブル電源に蓄える電気は「無料」です。
その蓄えた電気を家電製品の電源として利用すれば、電力会社から電気を購入する必要がなくなり、電気代を節約できるという仕組みです。
上の図は東京電力の従量電灯B契約の電気料金計算方法を図解したものですが、ポータブル電源を使って電気代を節約する場合、次の2つの要素が関係してきます。
① 毎月使う電気の使用量(kWh):青字
② 電気使用量(kWh)に掛け合わせる単価:赤字
(B-1従量料金・B-2燃料費調整額・C再エネ賦課金)
これら2つの要素について見ていきましょう。
① 毎月使う電気の使用量(kWh)
電力会社に支払う電気料金は、ひと月に使用した電気の量(kWh)に応じて増減します。
電気使用量を減らすことができれば、その分電気料金は減りますが、使用量の一部をソーラー発電した電気に置き換えることでも、電気料金を減らすことが可能です。
これは、一軒家の屋根に設置するソーラーパネルと同じようなイメージですが、残念ながらポータブル電源に蓄えられる電気の量はそれほど大きくありません。
例えば、容量が1000Wh(=1kWh)のポータブル電源でさえ、ポータブル電源の部類では「大容量」に分類されます。
しかし、その1000Whのポータブル電源を1回使い切ったとしても、節約できる電気料金は、2024年7月時点の試算でわずか34円程度(月に120kWh~300kWhの電気を使う家庭の場合)です。
【容量1000Whのポータブル電源で節約できる電気料金】
東京電力の従量電灯B契約の単価で計算すると、容量1000Whクラスのポータブル電源1回充電分で、2024年7月時点で33.8円/kWh節約できることになります。
従量電灯B | 2024年7月時点※2 |
B-1従量料金 ※1 | @36.4円/kWh |
B-2燃料費調整単価 | @▲6.09円/kWh ※3 |
C再エネ賦課金単価 | @3.49円/kWh※4 |
合計 | 33.8円/kWh |
※2 東京電力は2023年6月1日/2024年4月に料金改定を実施
※3 2024年8月~10月使用分は政府の酷暑乗り切り緊急支援で▲4.0円/kWhの補助があったがその分は考慮していません
※4 2024年7月時点の再エネ賦課金単価は2024年5月~2025年4月分まで同額
ただし、ポータブル電源には変換ロスなどがあるため、容量1000Whのポータブル電源で使える電気は容量の80~90%程度です
もし仮に1000Wh分の電気を毎日使い切れたとしても、1000Wh分の電気を毎日ソーラー発電で溜めることは不可能です(ソーラー発電は天候に左右されるため)。そう考えると容量1000Whのポータブル電源で節約できる電気料金は良くても月に500~600円程度でしょう。
② 電気使用量(kWh)に掛け合わせる単価
電気料金を左右するもう一つの要素は、「電気使用量(kWh)に掛け合わせる単価」です。
この単価には、B-1従量料金、B-2燃料費調整額、C再エネ賦課金の3つの要素があり、これらの単価は毎月、または毎年変動します。
B-1従量料金: これは、電力会社が定める電気料金の基本単価で、使用量に応じて段階的に料金が上がります。この単価は、電力会社の料金改定時に引き上げられることが多く、2023年6月の東京電力の料金改訂では、1kWhあたり9.92円の値上げが行われました
B-2燃料費調整単価: 燃料費調整額単価は、電力会社が発電のために使用する燃料(原油、液化天然ガス、石炭)の輸入価格の変動に応じて、毎月自動的に変動する単価です。2023年1月~2024年5月使用分までは、政府の補助金(激変緩和措置)により、家庭の電気代が最大3.5円/kWh安くなっていましたが、現在は終了しています
C再エネ賦課金単価: 再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は、再生可能エネルギーの普及を促進するために、電力会社が買い取った電気の費用を電気利用者が負担する制度です。この単価は、国が毎年決定し、2023年度は1.4円/kWhでしたが、2024年度は3.49円/kWhと2.09円値上がりしています
B-1従量料金は電気料金改訂のときにしか値上げされませんが、B-2燃料費調整単価とC再エネ賦課金単価は頻繁に値上げされます。今後値上げが幅が大きくなっていくような気もしますが、それぞれの単価が上がれば上がるほどポータブル電源による節電効果も大きくなります
東京電力が2023年6月に行った電気料金改訂により、「規制単価」が撤廃されたことも、電気代高騰に拍車をかけるリスク要因です。「規制単価」とは、エネルギー輸入価格が上がった場合でも、使用者が支払う「B-2燃料費調整額単価」に上限が定められていたものです。しかし、「規制単価」が撤廃されたことにより、使用者への請求額は際限なく上がり続けるリスクをはらんでいます
次のグラフは2022年12月までの「B-2燃料費調整額単価」推移のグラフです。「規制単価」があった当時は5.13円を上回って請求されることがありませんでした(オレンジ線)が、今は「B-2燃料費調整額単価」が値上がれば値上がるほど際限なく請求されるようになっています(黄色の線)
② 深夜電力でポータブル電源を充電し、昼間に使う節電方法
太陽光発電で作った電気を使う節電方法の二つ目は、電力会社の料金プランを活用し、電気料金が安い時間帯(深夜や早朝)にポータブル電源を充電し、日中にその電気を使用するというものです。
多くの電力会社では、夜間や早朝の時間帯に電気料金が割引になるプランを提供しています。
このプランを利用することで、日中の電気使用量を減らすことができ、電気代を節約することが可能となります。
この方法は、ソーラーパネルがない家庭や、太陽光発電が難しい環境でも、手軽に電気代の節約効果を得られるのがメリットです。
ただし、深夜電力による節約効果は、ソーラー発電に比べると限定的です。
また、ご契約の電力プランによっては、夜間割引が適用されない場合もありますので、電力会社との契約内容を確認しておく必要があります。
2) 節電効果の検証結果:電気代の節約だけで元を取るのは難しい
ポータブル電源は、電気代を節約できるというメリットがある一方で、購入金額を回収できるほど大幅に電気代を下げられるわけではありません。
特に、ソーラー発電で得られる電気量は天候に左右されやすく、毎日安定して充電できるわけではないため、ソーラー発電だけでは、購入費用を回収するには時間がかかり過ぎるでしょう。
また、深夜電力を活用する場合でも、電気料金の差額はわずかであるため、大幅な節約には期待できません。
容量1000Whクラスのポータブル電源を使った場合、ソーラー発電で節約できる電気代は、月に数百円程度、夜間電力による節約も数円程度です。
電気代の値上げは、今後も続く可能性があります。原油価格の高騰や、再生エネルギー賦課金の上昇など、電気料金の値上げを招く要因は複数あります。ポータブル電源による節電効果は、現状ではさほど大きくありませんが、電気代が値上がりすればするほど、ポータブル電源で節約できる金額は大きくなっていきます
2. ポータブル電源の「元」を、より多く取るための5つのポイント
1) ソーラー充電能力の高いポータブル電源を選ぶ
ポータブル電源で「元を取る」ためには、ソーラー発電能力に優れた機種を選ぶことが重要です。
ポータブル電源に接続できるソーラーパネルの入力W数(ワット数)が大きく、ソーラー充電時間が短い機種を選ぶと、より効率的に電気を溜めることができます。
また、ソーラーパネルの出力だけでなく、ポータブル電源側のソーラー充電性能も重要です。
ポータブル電源を選ぶ際は、ソーラー充電に関する仕様をよく確認し、ご自身の環境にあった製品を選びましょう。
2) 長寿命(高サイクル数)のポータブル電源を選ぶ
ポータブル電源を長く使うためには、バッテリーの寿命を示す「サイクル数」も重要なポイントです。
近年、リン酸鉄リチウムイオン電池を搭載した、高サイクル数のポータブル電源が登場しています。
これらの機種は、毎日使っても10年程度使えるため、より長期的に「元を取る」ことができます。
また、高サイクル数のポータブル電源は、頻繁な充電・放電にも耐えられるため、普段使いにもおすすめです。
3) ポータブル電源を多目的・多用途に使う
ポータブル電源は、電気代の節約だけでなく、様々な用途に活用することで、より「元を取る」ことができます。
キャンプやアウトドアで電源として使うのはもちろん、災害時の備えや、DIY作業など、さまざまなシーンで活用しましょう。
また、ポータブル電源をフル活用するためには、AC出力ポート、USB出力ポート、シガーソケットポートなど、多様な出力ポートを搭載した機種を選ぶのもおすすめです。
4) 値上がる前に、ポータブル電源を「今すぐ」買う
ポータブル電源の価格は、今後値上がりする可能性が高いと言えます。
世界的なインフレや円安、電気代の高騰などの影響により、ポータブル電源の価格も上昇するリスクがあるからです。
ポータブル電源の購入を検討しているのであれば、価格が上がる前に早めに購入しておくことをおすすめします。
ポータブル電源は、需要が高まると品薄状態になる可能性もあるため、早めの行動が重要です。
5) 安く購入できれば、「元を取る」可能性が高まる
ポータブル電源の価格を抑えれば、それだけ早く「元を取る」ことができます。
ポータブル電源は、メーカーの公式サイトやオンラインショップで頻繁にセールが開催されており、タイムセールやクーポンなどを活用することで、通常価格よりも安く購入することができます。
ポータブル電源の購入を検討する際は、これらの情報をこまめにチェックし、最安値で購入できるように心がけましょう。
まとめ:ポータブル電源で元をとるためのポイント
ポータブル電源を電気代の節約だけで「元を取る」ことは難しいかもしれませんが、ポータブル電源を賢く選び、上手に活用すれば、「元を取れる」可能性は十分にあります。
ソーラー充電能力の高いポータブル電源を選び、寿命を意識して大切に使い、様々な用途で活用することで、「元を取る」ことにつながります。
ポータブル電源を購入する際は、これらのポイントを参考に、自分にとって最適な一台を選びましょう。